『鬼滅の刃』一挙放送「兄妹の絆」 作品全体を象徴するキーワードとは
フジテレビ系にて2021年9月11日(土)から、5夜にわたってTVアニメシリーズ『鬼滅の刃』の第1期特別編集版がオンエアされます。第1夜は「兄妹の絆」。キーパーソンとなる冨岡義勇の名セリフとともに、名場面を振り返ります。今秋の毎週日曜放送となる第2期の前に、振り返っておきたい「はじまり」の物語です。
5夜にわたって特別編集版をテレビ放映
吾峠呼世晴氏の人気コミック『鬼滅の刃』全23巻は累計発行部数1億5000万部を突破する大ベストセラーとなり、劇場アニメ『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020年)は興収400億円を超える日本映画新記録を樹立するなど、さまざまな社会現象を巻き起こしました。
2021年9月25日(土)にフジテレビ系にて「無限列車編」の地上波初放映、またTVアニメシリーズ第2期「遊郭編」の放送(毎週日曜23時15分から)スタートも控え、2019年に放映されたTVアニメシリーズ第1期の特別編集版が9月11日(土)から5夜にわたってオンエアされます。
第1夜「兄妹の絆」は9月11日(土)19時からの放映です。炭焼き職人の息子として生まれ育った少年・竈門炭治郎が、人喰い鬼を退治する「鬼殺隊」に入るまでのエピソードが描かれます。
今回の最重要キーパーソンは、炭治郎が初めて遭遇する「鬼殺隊」の隊士・冨岡義勇です。そして、最重要キーワードは「生殺与奪の権を他人に握らせるな」です。
冨岡義勇との出会いが、兄妹の運命を変える
時は大正。日本の近代化が進む一方、まだ古い生活習慣が色濃く残る時代です。山で暮らす炭治郎は父親を亡くしていましたが、優しい母親や元気な弟や妹たちに囲まれて、幸せいっぱいでした。ところが、そんな温かい生活は一夜にして消え去ります。炭治郎が町へ炭を売りに行っていた間に、家族は鬼に殺されてしまったのです。
血を流して倒れていた妹の禰豆子だけはまだ体温が残っていたことから、医者に診せるために炭治郎は禰豆子を背負って雪山を駆け降ります。途中で禰豆子は意識を戻しますが、かわいい妹は何と鬼になっているではありませんか。
状況が理解できていない炭治郎はパニックに陥ってもおかしくないところですが、「鬼になんかなるな。しっかりしろ」と禰豆子に懸命に呼びかけます。そのとき、禰豆子は涙をポロポロと流します。体は鬼になっていても、兄・炭治郎の叫び声は彼女の心に届いていたのです。兄妹のつながりの深さが感じられます。
そして、そこに現れたのがクールなイケメン隊士・冨岡義勇です。義勇との出会いによって、炭治郎の人生は180度変わっていくことになるのです。
無力だった少年が、さまざまな出会いと経験によってたくましい剣士となり、そして人間的にも大きく成長を遂げていきます。『鬼滅の刃』が幅広い世代から愛されている要因のひとつでしょう。その最初の出会いが、冨岡義勇だったのです。