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純白の乙女のようなMS「キュベレイ」 ガンダムシリーズに革新をもたらした装備とは?

ガンダムシリーズの2作品にわたって、最強の敵として活躍したMS「キュベレイ」。その性能は他のMSのはるか先を行くほどのものでした。そして、そのスペックの高さは、マシン以上にパイロットの「ハマーン」あってのものだったのです。

キュベレイに最も必要だったものは「ハマーン」だった

キュベレイは曲線を多用したデザインで登場し、視聴者に強烈な印象を与えた。画像は「HGUC 195 機動戦士Zガンダム キュベレイ 1/144スケール 色分け済みプラモデル」(BANDAI SPIRITS)
キュベレイは曲線を多用したデザインで登場し、視聴者に強烈な印象を与えた。画像は「HGUC 195 機動戦士Zガンダム キュベレイ 1/144スケール 色分け済みプラモデル」(BANDAI SPIRITS)

 ジオン公国軍の残存勢力であるアクシズ(後のネオ・ジオン軍)のフラッグシップ機であるのが「AMX-004キュベレイ」です。パイロットはアクシズの実質的指導者である摂政のハマーン・カーン。『機動戦士Zガンダム』、『機動戦士ガンダムZZ』と、2作品にわたって登場し、『ZZ』では最後に戦う「ラスボス」として活躍しました。名前の由来は、アナトリア半島のプリュギアで崇拝されていた大地母神キュベレーと言われています。

 メカニックデザインは永野護さん。外見はシルエット重視でデザインしましたが、永野さんによると装甲を外した内部構造はザクをイメージしているそうです。ハマーンの搭乗MS(モビルスーツ)としてデザインされたことから、その際にエルメスの発展型、モノアイは2つ、ビット搭載といった設定が提案されました。そして機体には「LMES2」の文字が記されています。

 この「エルメスの発展型」というコンセプトは、そのまま機体設定にも生かされました。一年戦争時にニュータイプ用に開発されたMA(モビルアーマー)「MAN-08エルメス」を、MSサイズまで小型化するというコンセプトで本機の開発はスタートします。

 開発は一年戦争後にアクシズに合流したフラナガン機関関係者。その開発は5年もの長期にわたり、ひと足先にアクシズから地球圏に戻ったシャア・アズナブル(クワトロ・バジーナ)が本機を初めて見たときに名前を知っていたというシーンが劇中にありました。その時、シャアはキュベレイが完成したことで、当時のアクシズの生産力を推し量っています。

 しかし、開発が難航していたのはサイコミュ機能の小型化という面よりも、それを動かすパイロットという点でした。なぜならば、それほど高いニュータイプ能力を持つ者が限られていたからです。この問題を解決したのが、ハマーンという高いニュータイプ能力の持ち主がいたことでした。その結果、キュベレイはハマーン専用機となります。

 その後、グレミー・トト派が進めていたプルシリーズの運用が実用化され、量産化検討型の「AMX-004-2(AMX-004-3)キュベレイMk-II」。そのデータを基にした「AMX-004G (AMX-017) 量産型キュベレイ」を完成させます。しかし、パイロットがハマーンほどのニュータイプ能力の持ち主ではないため、これらのMSは本来のキュベレイに比べて性能をデチューンされていました。

【画像】ハマーン以外が登場した「キュベレイ」たち。のちに影響を受けたMSも?(5枚)

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