【漫画】「適当に描いた」絵が最優秀賞…何でもできる友達に嫉妬した女子高生の行動とは
学生寮で暮らす女子高生は、美人で何でもできるルームメイトを前に、自分が何も持っていないように感じていました。美術部員として絵だけは頑張ろうと打ち込むなか、校内の絵画コンクールの結果が発表され……。伊達しのぶさんのマンガが心に響きます。
友達への嫉妬に苦しむ女子高生の姿がリアル
学生寮で暮らす女子高生のさくらは、同じ部屋の美沙と仲良し。しかし美人で勉強もスポーツもでき、友達も多い美沙を前に、自分が何も持っていないように感じていました。美術部員として絵だけは頑張ろうと打ち込むなか、校内の絵画コンクールの結果が発表され……。
伊達しのぶさん(@date_shinobu)による創作マンガ『羨望と嫉妬』がTwitterで公開されました。女子高生が抱える負の感情とそれに寄り添う大人が描かれた物語に、読者から「これは刺さる」「すごく良かった」「友情がさらに深まった」「クロダさんがいいキャラクター」などの声があがりました。
作者の伊達しのぶさんに、お話を聞きました。
ーー『羨望と嫉妬』のお話はどのようにして生まれましたか?
社会人でも学生でも、生きていくうえで「嫉妬」っていう感情はどうやっても逃れられないものだよな~と思ってたら、それをテーマにしたマンガが描きたくなりました。若い時はなおさら繊細だし、他人の動きに敏感なので、高校生を主人公にしています。
その嫉妬との折り合いをどうやってつけるのか、それを大人がひとり寄り添ってあげられたらいいなあーと思い、こういう仕上がりになりました。先生ではなくて、近所の人ではなくて、もう少し寄り添える立場の人……と思っていたら、寮監さんがちょうど良かったです。
ーー女子高生のリアルな感情が丁寧に描かれていますが、描くにあたって工夫なさったことなどはありますか?
おおよそ自分が高校生の時に感じていたことなので、それでちょっとはリアルに描けたんだと思います。美沙みたいな完璧な友達はいませんでしたが、それでもクラスや部活などで自分よりすごい子たちの間で味わった惨めな気持ちは、今思い出してもわりと鮮明に残ってるものだなーと思います(笑)。
ーー物語のキーマンとなる学生寮の寮監・クロダさんが個性的ですね。クロダさんのキャラクターはどのように思いつかれたのでしょうか?
クロダさんの大人の優しさがこのマンガのキモなので、どういうキャラなら心に響く優しい人になるかを考えました。最初から優しい人ってあんまり信用ならない気がするし、キャラとしても面白くないので、不器用さを出して誠実なところをアピールできればと思いました。
ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。
「実は自分も妬み恨みみたいな感情があったけど、クロダさんのセリフがとても良かった」というような感想の方がいらっしゃったのが印象的でした。嫉妬はきっと誰でも経験するものだと思うのですが、そういう心の内を開けてもらうことってそうそうないので、実際の声が聞けてうれしかったです。少しでも応援になって良かったと思います。
ーーTwitterではギャグマンガ『オタクばあちゃん』の連載をはじめとして、精力的にマンガを公開なさっています。創作するうえでの原動力になるものはありますか?
日常の中で「あ、これ面白そうだな」と思うと何も考えずにフラッと描きますが、読んでくれる方が全然いなかったらここまで描かなかったと思うので、やっぱり読者の方の存在がありがたいです。支えられてます。
●伊達しのぶさん 前回のインタビュー
(マグミクス編集部)