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『鬼滅の刃』特別編第3夜「鼓屋敷編」 ボディブローのように効く善逸の“ひと言”

炭次郎は自己暗示のスペシャリスト?

『鬼滅の刃』Blu-ray/DVD Vol.7 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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 炭次郎たちが足を踏み入れた「鼓屋敷」には、体から鼓が生えている鬼・響凱が潜んでいます。鼓を叩くと部屋が上下左右に回転するという、妖しい術を操ります。かつては「十二鬼月」だった響凱だけに、かなりの強者です。

 浅草での戦いで、足と肋骨を骨折している炭治郎は、全力を出すことができません。深く呼吸をするだけで、体が痛むのです。しかし鬼は、手加減はしてくれません。そんな苦しい状況のなか、炭治郎は自分で自分を鼓舞します。

「俺は長男だから我慢できたが 次男だったら我慢できなかった」

 ほめて育てる教育方法がもてはやされたことがありましたが、この教育方法には欠点もあります。ほめて育てられると、育てられた子供はほめられることを前提に行動するようになります。そこには主体性がありません。また、いつもほめてもらえるとは限りません。大人になったら、誰かにほめてもらえなくても、自分の判断で最善の結果を残さなくてはいけないのです。

 鬼との戦いの場では、炭治郎の勇敢さと忍耐力をほめてくれる人は誰もいません。そこで6人兄妹の長男である炭治郎は、「俺は長男だから我慢できた」と自分の分かりやすい特性を挙げることで、自己暗示をかけているのではないでしょうか。「俺はできる奴だ」と炭治郎は自分に言い聞かせることで、弱気心を追い払います。メンタルの強さも、炭治郎の大きな武器となっています。自己評価が低く、ネガティブになりがちな人は、見習いたいところです。

禰豆子と善逸との運命的な出会いの瞬間

「炭治郎……俺……守ったよ……」

 頼りにならないとしか思えなかった善逸でしたが、鼓屋敷から先に出ていた善逸は、炭治郎が大切にしていた木箱を身を挺して守っていました。木箱のなかには、炭治郎の鬼になった妹・禰豆子が眠っています。自己流の修行を積んで隊士となっていた伊之助は、木箱のなかに鬼がいることに気付き、木箱ごと串刺しにしようとしていたのです。

 このとき、善逸はまだ禰豆子とは顔を合わせてはいません。炭治郎が「命よりも大切なもの」と語っていたことを善逸は覚えており、懸命に守っていたのです。木箱に覆いかぶさっている善逸は、まるで木箱ごと禰豆子を抱きしめているかのようです。コミック最終巻まで読んだ人なら、この善逸と禰豆子とのファーストコンタクトを運命的なものに感じるのではないでしょうか。無意識のうちに本当に大切なものを守っているのが、善逸という剣士の素晴らしさです。

「猪突猛進!」が口癖な伊之助は、善逸をボコボコにしてしまい、炭治郎を勝手にライバル視して、ケンカを売ってきます。炭治郎のことを「かまぼこ権八郎」と呼ぶなど、伊之助は人の名前を覚えようとしません。コミュニケーション能力は著しく低い伊之助ですが、炭治郎&善逸と通称「かまぼこ隊」を結成し、数々の修羅場をくぐり抜けることで同期ならではの熱い友情で結ばれていくことになります。

 禰豆子も含めた「かまぼこ隊」4人の成長ぶりから、今後も目が離せません。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記

(長野辰次)

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