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“人を選ぶ”名作『女神異聞録ペルソナ』 25年経っても色褪せないジュブナイルRPGの原点

若者の苦悩や葛藤を丁寧に描いたジュブナイルRPG

PlayStation4用ソフト『ペルソナ5』(アトラス)
PlayStation4用ソフト『ペルソナ5』(アトラス)

 今でこそアトラスを代表する人気IPまで成長した「ペルソナ」シリーズですが、初代の『女神異聞録ペルソナ』に限って言えば、いたるところで遊びづらさを感じたのも事実です。

 印象的な部分を挙げるなら、マップ内のエンカウント率が高く、わずかな距離を歩いただけでひんぱんに戦闘へ巻き込まれる。さらに戦闘シーンも作り込みが丁寧な反面、お世辞にもテンポ感が良いとは言えません。あえて誤解を恐れずに述べるなら、本作は誰にでもオススメできるカジュアルなゲームタイトルと言うより、”人を選ぶ”と表現するべきかもしれません。

 それでもなお、『女神異聞録ペルソナ』が多くのユーザーに語り継がれるゆえんは、冒頭で述べた通り、シリーズ原点で深く練り込まれていた自己対面にあると筆者は考えます。

 現実世界に完全無欠な超人が存在し得ないように、本作の登場キャラクターもそれぞれ何かしらの欠点やトラウマを抱えています。病弱さにともなう孤独感に苛まれ、母親に反発してしまう「マキ」(園村麻希)。裕福な出自ながらも徹底した合理主義で他人を見下しがちな「なんじょうくん」(南城圭)。周囲を気にするあまり、本音を押し殺して振る舞っていた「エリー」(桐島英理子)……などなど、理由は何であれ、行動を共にするクラスメイトのほとんどが彼らなりの悩みを抱えているのです。

 そんな彼らは本作のストーリーにて、御影街を襲った異変を解決に導き、同時におのおのが自らの心と見つめ合い、葛藤しながら人間的に成長していきます。そして黒幕を倒した後のエンディングでは、成長した彼らの進路がテキスト形式で味わい深く映し出されます。

 悩みを解決する・トラウマを払拭するためには、必ずどこかで自分と向き合う必要がある。現実世界を生き抜く我々にとって、この原則を強く実感させられる機会は少なからずあるはずです。だからこそ、彼らの境遇に自然と興味を惹かれ、攻略中に挫けそうになっても物語の結末を見届けたくなる。最新作(ペルソナ5)にも流れる”ジュブナイルRPG”としての魅力は、本作の時点で色濃く現れていたように思います。

(龍田優貴)

【画像】『女神異聞録ペルソナ』から始まった「ペルソナ」シリーズ (5枚)

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