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『コードギアス』続編が作れなかった理由 歴史を変えた、意外なキャラの生存フラグ

劇場版から生まれた「フラグ」が新たなルートへの道を開く

『コードギアス 反逆のルルーシュI 興道』 (C) SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design (C) 2006-2017 CLAMP・ST
『コードギアス 反逆のルルーシュI 興道』 (C) SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design (C) 2006-2017 CLAMP・ST

 ファンから高い人気を得ていた『ギアス』。普通のアニメ作品ですと、その人気ゆえに続編が制作されてシリーズ化に結び付くのが普通です。しかし、『ギアス』には続編が制作しづらい大きな要因がありました。それが主人公であるルルーシュが死に、物語がハッピーエンドを迎えたということです。

 主人公不在ということが最大のネックとなり、続編の制作が困難だったため、外伝という形でテレビシリーズとは同じ時間の別な場所で物語を展開しました。それが前述した『コードギアス 亡国のアキト』です。

 その後、2017年から1期と『R2』をベースにし、全セリフを新規アフレコした劇場版三部作が公開されました。テレビ版50本を3本の劇場版にするため、場面のつなぎとして新たに加えられたシーンや、逆に省かれた物語も多くあります。そのなかでも、人の思考を読めるギアスを使ってルルーシュと対決したマオのエピソードはカットされていました。

 実はこれが劇場版でもっとも大きな変化を生むきっかけになります。そして、これがヒロインのひとりであるシャーリー・フェネットの生存フラグにつながりました。

 テレビ版ではマオの登場によりルルーシュのギアスで記憶を失い、ジェレミア・ゴットバルトのギアスキャンセラーでルルーシュだけでなく皇帝からかけられたギアスも解け、シャーリーは自分の記憶と周囲の状況のギャップから疑心暗鬼になってしまいます。そして、自分なりにルルーシュの助けになろうと考えますが、ロロの凶弾により命を散らしてしまいました。

 ところが、劇場版ではルルーシュからギアスをかけられる展開はなく、ジェレミアのギアスキャンセラーで皇帝のギアスから解除されて記憶が戻った後、深入りしないよう忠告を受け、ロロに殺されることもなくなります。このシャーリーの生存が次のフラグを立てるきっかけとなりました。それがルルーシュの生存フラグです。

 その後、2019年に公開された劇場版『コードギアス 復活のルルーシュ』では衝撃の事実が明かされました。ジェレミアとシャーリーの協力でルルーシュの遺体を受け取ったC.C.が蘇生に成功し、タイトル通りルルーシュが復活を遂げます。この復活には賛否両論ありましたが、シャーリーが死なないというだけで筆者としては手放しで喜ぶ展開でした。

 簡単に言うと、テレビと劇場版では時間線が違う。古くは『宇宙戦艦ヤマト』の頃からあったことです。今回の15周年再放送とは関係ないでしょうが、既に発表されてファンから期待されている新作アニメーションシリーズ『コードギアス 奪還のゼット』には大きくかかわっているかもしれません。この新作の新しい情報が発表されることを祈りつつ、今回の15周年再放送を見ていこうと思います。

(加々美利治)

※本文の一部を修正しました。

【画像】ルルーシュのはためくマントをイメージした、コラボ眼鏡(6枚)

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