マグミクス | manga * anime * game

マンガのなかのふざけた名前のマンガ雑誌4選 小ネタが光る「少年ヨンデー」

「少年ジャプン」「ゴロゴロコミック」……マンガの世界の住民が読んでいるマンガ雑誌はふざけた名前が多いです。そんなパロディ雑誌名に焦点を絞り仔細に見てみると、その完成度の高さに驚きます。

「ゴロゴロコミック」は『ドラえもん』だけじゃない?意外と深いパロディ雑誌名の世界

「週刊少年サンデー」2021年44号(小学館)
「週刊少年サンデー」2021年44号(小学館)

 マンガの世界にもマンガは存在しています。そして、そのマンガ雑誌名に注目すると、これがなかなかどうして、ふざけているものが多いです。今や“隠れ伝統芸”とも言えるマンガの世界の「ふざけたマンガ雑誌名」を掘り下げていくことにしましょう。(とはいえ前半は『ドラえもん』無双になりそうです。)

●秋田書店に配慮して変更?…『ドラえもん』の「少年チャランポラン」

 マンガ雑誌のパロディの総本山といえば『ドラえもん』(著:藤子不二雄)です。コミックス第3巻「あやうし!ライオン仮面」では人気漫画家フニャコフニャ夫先生の元にマンガ雑誌編集者たちが続々と原稿を催促しにくるのですが…その雑誌名がどれもパロディになっています。例えば「少年チャランポラン」の編集者。「少年チャンピオン」(秋田書店)が元ネタと思われますが、響きを似させた上で意味を逆転させるという秀逸ぶり。ただ後年の版では秋田書店への配慮したのか「少年チャンポン」に変更されています。2020年に放送された同エピソードのアニメでは「少年チャランポラン」になっていました。どうやらアニメも初版を基軸に作っているようです。

●同じく『ドラえもん』より…ダブルミーニングの「少年ヨンデー」

 上述の「少年チャランポラン」と同じコマに登場するのが「少年ヨンデー」の編集者です。こちらも言うまでもなく「週刊少年サンデー」(小学館)のパロディなのですが「3(サン)」を「4(ヨン)」に変えた上で「読んでー」の意味を含むダブルミーニングとなっており、小ネタながら技巧が光ります。なお他にも「週刊少年マガジン」(講談社)をもじった「少年キャベジン」、「週刊少年ジャンプ」(集英社)をもじった「少年ジャプン」の編集者が登場。「ジャプン」は「ジャンプ」のあとに池に落ちたような響きでこれまた秀逸。「キャベジン」に至っては当時の先生の体調が少し心配になります。なお「ジャプン」の時もあれば「ジャブン」の時もあります。

●「ゴロゴロコミック」は『ドラえもん』だけでなく『妖怪ウォッチ』の世界で登場?

『ドラえもん』のパロディ雑誌といえば「ゴロゴロコミック」が印象に残っている人も多いのではないでしょうか。アニメではのび太の部屋の棚に並んでいますし、実際ゴロゴロしながらのび太が読んでは爆笑しているシーンもよく見かけます。この「ゴロゴロコミック」ですが、なんと『ドラえもん』の世界だけでなくアニメ『妖怪ウォッチ』の世界でも発売されていることが判明しておリます。実のところ「ゴロゴロコミック」は他のマンガでも多数確認されており、「コロコロコミック」のパロディとしてマンガ・アニメの世界では定着しています。もしかしたら「ゴロゴロコミック」だけが共通している無数の並行世界があるのかもしれません。

●『ギャグマンガ日和』は当たり前のようにボケ倒す

『ギャグマンガ日和』(著:増田こうすけ)に登場する架空のマンガ雑誌名はどれも秀逸。打ち切り漫画家の夢野カケラが連載している雑誌は「月刊チェヨンス」「月刊チェジウ」となぜか韓国著名人しばり。鋭いツッコミ冴えわたる本作ですが、この誌名に関しては特に触れられません。また別の少女漫画家の話では「別冊ずぼん」なる雑誌が登場。こちらからは、かすかながら「りぼん」の面影を感じ取ることができます。

 ここまで「マンガのなかのふざけた名前のマンガ雑誌」というテーマで掘り下げてきました。雑誌名ひとつとっても、比較していくと各作品の世界観が汲み取れます。

 最後に、国民的アニメ『サザエさん』(原作:長谷川町子)に登場するマンガ雑誌をご紹介して終わりましょう。カツオが寝転びながら楽しそうに読んでいる分厚いマンガ雑誌……その雑誌名はずばり「マンガ」。それ以上でも以下でもありません。まったく『サザエさん』という完成された空間において、上記のようなパロディが入り込む隙間はないのかもしれません。「マンガ」、読みたいです。

(片野)

【画像】架空の雑誌で連載 漫画家が主人公の作品

画像ギャラリー