TVアニメ『真の仲間』原作者ざっぽん先生に聞く、一大ジャンル「追放系」誕生の瞬間
「好き」という気持ちこそ創作意欲の源泉

──「小説家になろう」に投稿を始めた当初から、読者からの反響はあったのでしょうか?
ざっぽん 当初はPV数は悪くないかな……と思う程度で、リアクションはそれほどありませんでした。それが一気に増えたのは、サイト内のランキングに入ってからですね。
──ひとつの作品を書き続けていくというのは、本当に大変なことだと思います。反響が少ないうちから今に至るまで書き続けてきた創作意欲は、どこから湧いてくるものなのでしょうか?
ざっぽん 「小説を書くのが好きだ」という、そのことに尽きると思います。リアクションが全くなければどこかでモチベーションが切れてしまうかもしれませんが、楽しいという気持ちがある限りは続けられます。子供の頃から書くことは好きでしたし、思春期には、いわゆる中二病ノートのような物も作っていました(笑)。大人になって思い返すと気恥ずかしくはありますが、他人に迷惑をかけない限り、中二病は決して悪いものではないと思うんです。思春期の創作意欲って、本当に純粋なものですから。
──『真の仲間』は、メインターゲットの男性だけでなく女性にもおすすめしたい、胸ときめくラブロマンスです。恋愛ものを書きたいという気持ちは、当初からあったのでしょうか?
ざっぽん それはありましたね。一読者としても、恋愛物は好きなんです。自分もこんなふうに愛情を培ってみたいという、憧れの気持ちもあります。残念ながらレッドとリットのような恋愛は出来そうにありませんが、ファンタジー作家は存在しないものでも存在するように表現するものですから、経験したことのないことを経験したように一生懸命書いているわけです(笑)。
──先生は俳優のような雰囲気のイケメンですから、本当はレッドとリットのような素敵な恋も経験されていそうです。
ざっぽん いえいえ、そんな(笑)。お褒めに預かり光栄です。
──ヒロインのリットは、主人公のレッドを心から愛してはいても決して依存することなく、自分自身の意思をはっきり口にしながら行動に移していく女性です。この辺りにも、先生の好みが反映されているのでしょうか?
ざっぽん それはその通りです。手を取り合って人生を築いていくパートナーにはそうあって欲しいというのは、男性としての理想ですね。