小栗旬主演の『日本沈没』が放送開始 物語のキーパーソン「総理大臣」役を過去作と比較
1974年のTVドラマ版は、冷静沈着なリーダー

1973年12月に公開され、大ヒットを記録した映画『日本沈没』に続き、1974年10月からはTBS系で連続ドラマ『日本沈没』全26話が放送されました。小野寺役には学園ドラマ『飛び出せ!青春』(日本テレビ系)の熱血教師役で人気だった村野武範さん、田所博士は映画版に続いて小林桂樹さん、小野寺の恋人・阿部玲子を由美かおるさんが演じました。初回は20%を超える高視聴率を記録しています。
ドラマ版『日本沈没』で松川総理を演じたのは、ベテラン俳優の山村聰さんです。出番はあまり多くありませんでしたが、冷静さを失わない落ち着いたリーダーぶりを見せていました。
1974年のTVドラマ版『日本沈没』の面白さは、半年にわたって日本各地が徐々に壊滅していくというスリリングな展開でした。なかでも京都の金閣寺、東京タワーなどが次々と水没していく特撮シーンは、とても印象に残っています。小松左京原作の映画『エスパイ』(1974年)などを手がけた福田純監督らが精力を注いだ、傑作特撮ドラマとなっていました。
総理の影が薄かった2006年のリメイク版
1973年公開の映画版、1974年放送のTVドラマ版に感銘を受けた樋口真嗣監督によって、2006年に『日本沈没』は再映画化されています。このときは小野寺は草なぎ剛さん、玲子は柴咲コウさん、田所博士は豊川悦司さんという配役でした。総理役は石坂浩二さんが演じましたが、新しい脚本の設定上、影の薄い存在となっていました。また、同時期に公開された筒井康隆原作のパロディ映画『日本以外全部沈没』(2006年)では、村野武範さん(当時61歳)が総理に扮していました。
TBSとしては2度目のドラマ化となる『日本沈没 希望のひと』では、東山総理役に仲村トオルさんがキャスティングされています。ずいぶん若い総理だなと感じますが、これまでに実写化された『日本沈没』で総理を演じた俳優の実年齢は、以下のとおりです。
1973年 映画『日本沈没』 丹波哲郎 当時51歳
1974年 ドラマ『日本沈没』 山村聰 当時64歳
2006年 映画『日本沈没』 石坂浩二 当時65歳
2021年 『日本沈没 希望のひと』 仲村トオル 56歳
山本総理役を大熱演した丹波哲郎さんが、いちばん若かったことには驚きを覚えます。2番目に若い仲村トオルさんは、2009年に放映されたWOWOWドラマ『空飛ぶタイヤ』で倒産寸前の運送会社を懸命に立て直そうとする社長役が高く評価されています。
パニックムービーとして知られる『日本沈没』ですが、こうして振り返ってみると未曾有の危機に対応するリーダーの在り方を描いた作品だとも言えそうです。野心家の官僚を演じる小栗旬さん、田所博士役の香川照之さんはもちろん、新総理役の仲村トオルさんの演技にも注目したいと思います。
(長野辰次)




