衝撃的なドラマを生んだ「ガンダム強奪」の歴史。互いに機体を奪い合った作品も?
ガンダムを「奪い返した」出来事も…?
ガンダムの強奪は何も宇宙世紀に限ったことではありません。他のガンダム世界でもたびたび目にすることがあります。もっとも、それが目立つのはコズミック・イラの世界でしょうか。
『機動戦士ガンダムSEED』では、地球連合軍が開発した5機の新型MSのうち、「GAT-X102 デュエル」、「GAT-X103 バスター」、「GAT-X207 ブリッツ」、「GAT-X303 イージス」の4機が第1話で敵であるザフトに強奪されました。そして、残された1機「GAT-X105 ストライク」にキラ・ヤマトが乗り込み戦うという物語になっています。
その後、ストライクを破壊されたキラが乗り込むことになるのが「ZGMF-X10A フリーダム」でした。このフリーダムは、ザフトが鹵獲した4機のMS「初期GAT-Xシリーズ」のデータを基に開発された機体で、ラクス・クラインの手引きでキラのMSになります。ザフトから守ったストライクに乗っていたキラが、今度はザフトからガンダムを奪うというのも皮肉な話ですね。
その続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では、今度は地球連合軍の特殊部隊ファントムペインによって、ザフトのセカンドステージのMSである「ZGMF-X24S カオス」、「ZGMF-X31S アビス」、「ZGMF-X88S ガイア」が強奪されました。後にガイアはミネルバによって回収されますが、本国への輸送中にクライン派に渡り、アンドリュー・バルトフェルド専用機としてカラーリングを変えて使用されています。
この他にもアスラン・ザラがザフトから脱走した際に「ZGMF-2000 グフイグナイテッド」を強奪していますが、その時に「ZGMF-X42S デスティニー」と「ZGMF-X666S レジェンド」もあったことから、どうせならそのガンダムを奪った方がよかったのでは? というファンもいました。
他のガンダムシリーズでも『機動新世紀ガンダムX』の「GX-9901-DX ガンダムダブルエックス」や、『∀ガンダム』の「WD-M01 (System-∀99) ∀ガンダム」、『ガンダム Gのレコンギスタ』の「YG-111 G-セルフ」なども奪われたことがありますが、ドラマ的には『機動戦士ガンダム00』のアリー・アル・サーシェスが「GNW-002 ガンダムスローネツヴァイ」を強奪した時のドラマはインパクトありましたね。
「ガンダム」といえば、どの世界でも高性能機で各陣営から注目の的です。そう考えると、おそらくセキュリティは厳しいはずですが、いつも「奪われる対象」という位置づけになっていました。ドラマにおいて争奪戦は盛り上がりますので、リアルでのツッコミは野暮というものでしょうか。
(加々美利治)