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特撮スーツアクター・3レジェンド!仮面の下で闘志を燃やす悲しき影武者

抜群のスタイルを誇った初代ウルトラマン・古谷敏

古谷敏の代表作『ウルトラマン』。ウルトラマンスーツをら着れるのはスタイル抜群の古谷だけだった。画像は『ウルトラマン』DVD2巻(バンダイビジュアル)
古谷敏の代表作『ウルトラマン』。ウルトラマンスーツをら着れるのはスタイル抜群の古谷だけだった。画像は『ウルトラマン』DVD2巻(バンダイビジュアル)

 古谷敏さんは、シンビンプロモーション所属の俳優です。

 おそらく、日本一手足が細長く抜群のスタイルを誇ったスーツアクターだと思います。演じたのはかの初代『ウルトラマン』。当時古谷さんは身長は185cmほど、体重約70キロ、8頭身のいわゆるモデル体型でした。

 ウルトラマン役をオファーされた際、“主役”と言われて喜んでいたら変身した後の着ぐるみのヒーロー役の方だと聞いて、古谷さんは「それでは顔が見えない」と断ったといいます。しかし、ウルトラマンをデザインした成田亨さんからウルトラマンのフォルムに合うのは君しかいないと懇願され、役を引き受けることに。実際、スーツのサイズは古谷さんの体型を型取りして作ったため、古谷さん以外にウルトラマンを演じられる人はいませんでした。

 密閉されたスーツでの撮影は連続だと10分程度が限界、水中シーンではマスク部分に水が入り、溺れて死にそうになるなど撮影は毎回地獄だったといいます。それでも最後まで同役を演じきり、次作『ウルトラセブン』ではウルトラセブン役は断ったものの、アマギ隊員役で念願の顔出し出演を叶えています。

 ちなみに、庵野秀明氏が独自解釈を加えて作る新たなウルトラマン映画『シン・ウルトラマン』のウルトラマンは、2018年時点の古谷さんをボディスキャンし、その体型データに模様やボディラインの線を入れてデザインしているそうです。あの美しいスタイルのウルトラマンが甦るんですね。

 今回紹介した3人の他にも、中屋敷哲也さん、新堀和男さん、岡元次郎さん、益田てつさん、など今日まで続く特撮の歴史に欠かせない伝説のスーツアクターはたくさんいます。みなさんに敬意を表し、これからもスーツアクターの活躍を見守りたいです。

(石原久稔)

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