2011年10月放送開始アニメ3選 ちょうど今期で10周年!
今から10年前の2011年10月には、数多くのアニメが放送され多くのファンを楽しませてくれました。そのなかから人気と評価が高かった、『Fate/Zero』『境界線上のホライゾン』『ペルソナ4』の3作品をご紹介します。
「Fate」シリーズの前日譚
今から10年前の2011年10月には、数多くのアニメが放送され多くのファンを楽しませてくれました。そのなかから、人気と評価が高かった3作品を紹介します。
●『Fate/Zero』
TYPE-MOONのノベルゲーム『Fate/stay night』の前日譚となる「第四次聖杯戦争」の模様を描いた小説のアニメ化。原作の基本設定は『Fate/stay night』のシナリオを執筆した奈須きのこ氏が担当し、ニトロプラスの虚淵玄氏が本編を執筆しています。アニメーション制作は『鬼滅の刃』で知られるufotable。2011年10月から12月にかけて第1期が放送され、2012年4月から6月にかけて第2期が放送されました。全25話。
1994年11月、「魔術師殺し」の異名を持つ主人公の衛宮切嗣は魔術の名家アインツベルンからの依頼で7人のマスターと7人の英霊(サーヴァント)が聖杯を巡り争う「聖杯戦争」へと参戦することに。妻のアイリスフィール・フォン・アインツベルン、配下の久宇舞弥、そしてサーヴァントのセイバーと共に聖杯戦争の舞台となる冬木市へと降り立った切嗣でしたが、正々堂々とした戦いを望むセイバーとの間には軋轢が生じていき……。
『Fate/stay night』に登場した遠坂凛と間桐桜の姉妹はなぜ引き裂かれたのか。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンはなぜ父親の切嗣を恨んでいたのか。衛宮士郎はなぜ広い屋敷にひとりで暮らしていたのか、なぜ危機に際してセイバーを召喚できたのか。多くの謎が解き明かされた本作は、のちに生還したウェイバー・ベルベットを主人公とするスピンオフ作品を生み出すなど、「Fate」シリーズを構成するピースとして、今なお重要な位置を占めています。
●『境界線上のホライゾン』
原作は2008年から川上稔先生が電撃文庫で展開した、通称「鈍器」とも呼ばれ電撃文庫の最厚記録を保有する学園戦国ファンタジー作品です。
汚染した地球を修復するために構築された「環境神群」の過剰修復により、地球は極東を除き人が住めない強靭な地へと変貌していました。過去の人類の栄光を記した「聖譜」を再現しもう一度歴史をやりなおした世界で、極東日本は世界の危機を作ってしまったがゆえに世界各国の共同院に分割支配されてしまいます。 そして迎えた聖譜歴1648年。100年ごとに自動更新されるはずの聖譜記述が停止してしまい、世界は終焉「末世」へと向かい始めます。
……と、このように重い背景を持つストーリーが展開される作品ではありますが、主人公の葵・トーリをはじめとする登場キャラクターの魅力は尋常ではなく、その点がファンから大いに支持を受けています。エロとダンスの神を信仰する葵・喜美、ズドン巫女こと浅間・智たち強大な胸部装甲保有者、ネイト・ミトツダイラをはじめとする軽装甲キャラ、武蔵や鹿角、三河たち自動人形など、好みに応じて「推せる」キャラクターが目白押しです。また航空都市艦・武蔵や巨大ロボット「武神」などのメカ描写も多彩な作品です。
●『Persona4 the ANIMATION』
2008年にアトラスから発売され人気を博したRPG『ペルソナ4』のアニメ化。全25話。アニメ化発表の際にはまず古いTVにカウントダウンが書かれた謎のURL「www.mayonaka-tv.jp」(現在は公開終了)の存在が明かされ、4月12日にカウントダウンが終了、公式サイトが出現するという手の込んだ仕掛けが行われました。
主人公の鳴上悠は家庭の事情で叔父の住む稲羽市へと引っ越してきたばかりの高校生。さびれた商店街、若者が集うショッピングモール、どこにでもある光景と穏やかな時間が広がる地方都市に吊るされた死体が現れたとき、物語は静かに動き出しました。街が原因不明の霧に覆われるなか、雨の日の夜0時にひとりでテレビ画面見ていると映し出される「マヨナカテレビ」のうわさを聞いた悠は、クラスメイトの花村陽介、里中千枝と共に不思議な体験をすることに。自分のなかに眠るもうひとりの自分「ペルソナ」に目覚めた悠は、個性豊かなクラスメイトと共に殺人事件の調査に乗り出しさらなる事件と謎に巻き込まれ、多くの出会いと別れを経験することになったのです。
(早川清一朗)