【シャーマンキング30周年への情熱(47)】巫力の「数値化」がもたらす大きなデメリットとは?
原作とは異なるカンナのオーバーソウル設定

一方、前回ペヨーテのグランデファンタスマに突き刺された道蓮ですが、肉体的に死んでいるという衝撃的な結果が明らかになりました。そして葉はそれを予見していたかのように、まん太をX-LAWSのもとに遣わし、強力な回復能力を持つジャンヌを連れてくるように頼んでいました。
不幸中の幸いにして蓮は肉体的に死んでいても魂がまだ離れていない「死に限りなく近い状態」であり、これ以上何もなければジャンヌによる回復は可能です。
ただし回復の条件として、葉は「シャーマンファイトの辞退」を要求されます。ハオの弟を野放しにはできないからですが、葉は自分の夢をあきらめることになっても蓮を救うためにオラクルベルを外します。自分がいなくても強くなった蓮がいれば大丈夫……葉は100%納得しているとは思えませんが、嘘でもないでしょう。この決断が何を生むのか今はまだわかりません。この先の展開が気になるところです。
最後に、花組たちとの戦闘です。「場外乱闘」がパッチ族も認めたものであることがゴルドバの口から語られましたね。まず始まったのはカンナの持霊・アシュクロフト対、道潤の持霊・李白竜(リー・パイロン)でした。カンナは鎧を媒介にオーバーソウルするシャーマンだと白竜は考えますが、それは間違いでした。カンナの能力について詳しいことは次回以降判明するでしょうが、最後に出て来た言葉「エクトプラズム」について、軽く説明しておきましょう。
エクトプラズム(ectoplasm)とは霊能力者が吐き出す煙のようなもので、霊体とか魂とはちょっと違うエネルギー体です。エクトプラズムは多くの場合、強い光を浴びせたり触ったりすると、吐き出している能力者の肉体に大ダメージがあるようですが、カンナには当てはまっていませんね。ここから彼女の能力の強さがわかります。
ちなみにエクトプラズムやアシュクロフトについては、原作とアニメでは一部表現がぼかされています。これは、例えば木刀の竜はアニメではタバコを吸っていないのですが、その理由はもちろんご時世や放映時間(対象とする視聴者層)に配慮しているはずで、カンナにも同じことが言えると思います。
このあたりは次回、戦闘の続きが描かれた時に詳しく解説したいと思います。原作をご存じの方は、その変化にも注目しながら、続きを楽しんでください。
それでは今回はこの辺で。また次回よろしくお願いします!
(タシロハヤト)
(C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京