マンガに出てくる巨大すぎる男3選。存在そのものが常識を覆す?
マンガ『進撃の巨人』は2021年4月に約11年半の連載を終えましたが、2022年1月からはアニメ版「The Final Seson part2」が放送されることが明らかになるなど、まだまだ「巨人」は注目の的。これまでのマンガ作品でも、普通の人間のハズなのになぜか尋常ではないほどに大きな男たちが登場しています。
外伝が描かれるほどの人気巨人キャラ「男塾の帝王」大豪院邪鬼
2021年4月に連載が完結した『進撃の巨人』ですが、2022年1月からNHKでアニメ『進撃の巨人 The Final Seson part2』が放送されることが明らかになり、ますます注目を集めています。そこで今回は、数々の名作マンガ登場する「ありえないほど巨大な男」を3人紹介します。
マンガに登場する巨大な男といってまず思い浮かぶのは、宮下あきら先生の『魁!!男塾』に出てくる大豪院邪鬼ではないでしょうか。
「週刊少年ジャンプ」で1985年から1991年まで連載された『魁!!男塾』は、全国から集めた不良少年たちを一人前の漢(おとこ)に育てるために超スパルタ教育を施す「男塾」を舞台とした物語です。
この「男塾」はあらゆる面で普通の学校とは違い、たとえば1年、2年といった学年の呼称は1号、2号とされています。大豪院邪鬼は最高学年である3号生の筆頭で、10年以上も男塾を支配しているため「男塾の帝王」と呼ばれている人物です。
「ん?10年以上って何歳?」と思ったあなた、ヤボなことは言いっこなし。塾生はほぼ学ラン(しかもド長ラン)を着ているため高校だと思いがちですが、実のところ男塾がどんな学園なのかは作者の宮下先生にもわからないのだそう(!)。実際、1号生が日本酒の一升瓶を回し飲みしている場面も出てきますし、計り知れない超高校生として納得しておく感じでしょうか。
さて本題の大豪院邪鬼の巨大さですが、マンガを読む限り身長は少なく見積もっても10メートル。ソファに腰掛けているその膝に、屈強な男たちの誰ひとりとして背が届かないという巨体ぶりなのです。ところがやがて、実際は2mちょっとなのにあまりの闘気と威圧感で大きく見えていただけと明かされました。しかし、「なるほど、そういう演出か」と思ったのも束の間、第3部では自身の大きさを自由に変えられる能力があったと判明して、もう何が何やら。
ちなみに宮下先生は大豪院邪鬼の初登場コマについて「あれは今見ても、ちょっとデカく描きすぎたな」と語っています。
●自らの巨体を嫌う桁違いな大男 『蒼天の拳』の章烈山
巨大な男といえば、『北斗の拳』の前日譚にあたる『蒼天の拳』に登場する章烈山も忘れられません。そもそも『蒼天の拳』には体の大きな男たちが山ほど登場するのですが、そのなかでも上海マフィア「紅華会」のトップ・章烈山の大きさは桁違いです。
どのくらい大きいかというと、初登場の場面では援軍を頼みに来た男に酒を振る舞うのですが、章烈山がつまんで差し出すグラスは遠目にはショットグラスに見えるものの、いざ手渡されると両手で抱えるほどの大きさ……というすさまじさです。
さらに特注サイズの葉巻には火炎放射器で火を着け、2メートルもある女を手のひらに乗せ、風呂から上がれば大波が立って洗い場の部下たちが溺れるなど、巨大エピソードは枚挙にいとまがありません。ただし本人は、身体が大きいと言われることが大嫌いで、大きいと自覚させるような態度をとった部下には容赦ない制裁を加えるのです。
●伝説の超人格闘野球マンガ『アストロ球団』の明智球八
野球マンガの世界にもありえないほどの大男がいます。それはもはや伝説ともいうべきマンガ『アストロ球団』の一員です。『アストロ球団』はある9人の野球選手たちが読売巨人軍やアメリカの大リーグに立ち向かっていくという物語なのですが、もちろんただの野球マンガではありません。
9人はすべて昭和29年9月9日生まれで身体にボール型のアザを持つ超人……と聞けばピンとくる方もいるでしょう。そう、かの「南総里見八犬伝」をベースに描かれたファンタジー要素もある運命の物語なのです。しかも9人は、ありえないほどの魔球や必殺技を駆使して、長嶋茂雄、王貞治、金田監督率いるロッテの選手らと文字通りの死闘を繰り広げるという破天荒な内容なのです。
そんな『アストロ球団』の大男といえば、ナインが並ぶとひとりだけ背景画のように見えるほどの巨体を持つ明智球八です。双子の兄・球七郎(後に球七と改名)の4~5倍(10倍説もあり)はあろうかという巨躯で、片手で兄をつかんで「人間ロケット」として投げ飛ばし、ホームランを阻止するというとんでもない鉄壁の守備も見せます。時には新宿の高層ビルほどの高さまで放り投げることもあり、兄を肩に乗せたスタイルで外野を2人だけで守る超人技をみせつけるのです。
今回ご紹介した3人以外にも、少年・青年マンガのなかには数多くのありえないほど巨大な男たちが登場します(時には、巨大なおばあさんなども)。あなたも、自分のお気に入りの巨人を見つけてみませんか?
(古屋啓子)