金ロー『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』 劇場版につながる「神回」
人気アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が、「金曜ロードショー」に初登場します。TVシリーズ全13話をギュッと凝縮した「特別編集版」で、「神回」と呼ばれた第10話も含まれています。京都アニメーションならではの美しい作画と繊細な物語を、次週放送の『外伝 永遠と自動手記人形』と併せて楽しんでください。
京都アニメーション制作の人気アニメを特別編集
「言葉には裏と表があるの」
京都アニメーション制作による人気TVアニメシリーズ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、「言葉」をモチーフにした繊細かつ深淵な人間ドラマです。日常生活において何気なく使っている言葉や文章ですが、使い方を誤ると人を傷つけてしまうことがあります。また、傷ついている人を勇気づけることもできます。
2021年10月29日(金)放送の「金曜ロードショー」(日本テレビ系)は、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 特別編集版』です。全13話あるTVシリーズ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』から、序盤となる第1話から第3話、そしてファンからの支持が高い第7話、第9話、さらに「神回」と呼ばれた第10話を中心に、ギュッと凝縮した内容となっています。
ファンはもちろん、これまで『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の世界に入りそびれていた人も、予備知識なしで楽しめる1時間54分となっています。第10話を含む後半パートはSNSも大いに盛り上がるのではないでしょうか。
感情を持たない少女の成長物語
主人公ヴァイオレットは、金髪で青い瞳をした美少女ですが、心には大きな空洞を抱えています。孤児として生まれ育ったヴァイオレットは感情を持たず、上官であるギルベルト少佐の命令にだけ従い、戦場で戦う日々を過ごしてきました。激戦のすえ、ヴァイオレットは両手を失い、ギルベルト少佐の消息が分からないまま終戦を迎えます。ヴァイオレットは義手を付けて社会復帰することになりますが、その際に選んだ職業がドール(自動手記人形)と呼ばれる手紙の代筆業でした。
戦場で生き別れたギルベルト少佐がヴァイオレットに残した最後の言葉は、「愛してる」でした。でも、命令に従うことしか知らなかったヴァイオレットには、「愛してる」の意味が分かりません。そこで、手紙の代筆をしながら、「愛してる」という言葉の意味を学ぼうと考えたのです。
かくしてヴァイオレットは、ギルベルト少佐の親友だったホッジンズ社長が経営する郵便社で、見習いドールとして働き始めます。ラブレターや離ればなれになった家族を気遣う手紙を代筆することで、ヴァイオレットは少しずつ「愛してる」の意味を知ることになるのです。
同じく京都アニメーション制作の『映画 聲の形』(2016年)などで知られる脚本家・吉田玲子さんが、シリーズ構成を担当しており、ヴァイオレットがコミュニケーション能力を身につけていく細やかな成長ドラマとなっています。TVシリーズから手掛けてきた石立太一監督が今回の「特別編集版」を監修しているので、ファンも安心して観ることができそうです。