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各界の『こち亀』ファン厳選・傑作3選 勝鬨橋を開く「神回」とは?

ファンのあいだで人気の高い神回 二度と開かない橋を開けた両さんの心意気に感動!

●「海パン刑事の巻」by 空知英秋さん

 続いて、「週刊少年ジャンプ」で連載されていた人気ギャグマンガ『銀魂』の作者・空知英秋さん。空知がイチオシするエピソードのひとつが「海パン刑事の巻」。人気キャラクター・海パン刑事が初登場した回です。

 海パン刑事は、常に海パン一丁で赤いネクタイにホルスターという装いで登場する変わり者ですが、警視庁のエリート刑事集団「特殊刑事課」に所属。なんと検挙率100%を誇る凄腕警察官なのです。(実は、両さんも同じく検挙率100%)

 象徴的な海パンからは、ドラえもんの四次元ポケットのように、予想外の物がいつも出てきます。「海パン刑事の巻」では、名刺や昼食用のバナナを海パンから取り出していました。

 また、テレビアニメ版では登場する際に「股間のモッコリ伊達じゃない! 陸に事件が起きた時、海パン一つで全て解決! 特殊刑事課“三羽烏”の一人!海パン刑事…只今参上!」というお決まりの文句で現れ、登場するたびにテンションが上がった記憶があります。そんな海パン刑事と同じく、特殊刑事課「三羽烏」のドルフィン刑事、月光刑事&美茄子刑事らが登場するエピソードはファンから人気の高いことも特徴的でした。

 このエピソードをイチオシする空知さんは「男子で海パンが嫌いな奴とかいるんですか? いるなら前にでてこい! そして全員海パンになれっ!」とコメント。両さん以上に型破りな海パン刑事の活躍を、この機会に再び読んでみてはいかがでしょうか。

●「勝鬨橋ひらけ!の巻」by 染谷翔太さん

 最後は、人気俳優・染谷翔太さんイチオシの「勝鬨橋ひらけ!の巻」。ファンのあいだでも「神回」と人気の高いエピソード。昭和40年代、中学生時代の両さんのお話です。

 両さんは、勝鬨橋が開くさまを「一度見てみたいなあ」と話す同級生「純くん」こと白鳥純(しらとり・じゅん)に直接見せようと、純くんを橋へ連れていきます。しかし、橋の近くにいた大人たちに「昨日開いたのが最後だ」「もう二度と開くことはないんだ」と教えられ、見ることは叶いません。

 勝鬨橋が開く様を見られず大変ショックを受ける純くん。後日、もともと体が弱い純くんは、空気の良い北海道に引っ越しが決まり、転校することになりました。

 橋が開くところが見られなかったことが心残りだという純くんの言葉を聞いた両さんは「橋の開くところを見せてやろう!」と、親友ふたりと結託。勝鬨橋の運転室に忍び込み、警察官に追いかけられながらも橋を開き、純くんに感動の思い出をプレゼントするのでした。

 派出所で思い出話をする両さんのもとへ純くんが訪ねてきます。「橋をあげてくれた日の感動が忘れられなくて」と、現在は橋の専門家になっていたのです。

 染谷さんはこのエピソードを選んだ理由に「定番の名作で何度読んでも泣ける」とコメント。「泣ける」エピソードが多い『こち亀』のなかでも、人気の感動回でした。

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 以上、各界の『こち亀』ファンが厳選したエピソードをピックアップして紹介しました。まだまだ数え切れないほど、印象的なエピソードが存在します。皆さんの心に残っている傑作回は何ですか?

(中島憲太郎)

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