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『帰ってきたウルトラマン』の「11月の傑作群」…実は作品を褒めていなかった?

半世紀前の1971年に放送された『帰ってきたウルトラマン』。その中でも11月に放送された4本は「11月の傑作群」と呼ばれています。しかし、それは作品をたたえる意味の言葉ではありませんでした。

「11月の傑作群」と呼ばれるエピソードたち

『帰ってきたウルトラマン』の31話「悪魔と天使の間に....」、32話「落日の決闘」を収録した、「帰ってきたウルトラマン Vol.8」DVD(円谷プロ)
『帰ってきたウルトラマン』の31話「悪魔と天使の間に….」、32話「落日の決闘」を収録した、「帰ってきたウルトラマン Vol.8」DVD(円谷プロ)

 今年2021年で放送から50周年を迎えた『帰ってきたウルトラマン』。その11月に放映された作品を、一部のファンが「11月の傑作群」と呼ぶことをみなさんご存じでしょうか?

「11月の傑作群」というのは、『帰ってきたウルトラマン』で11月に放送されたエピソード……

 第31話「悪魔と天使の間に…」1971年11月5日放送
 第32話「落日の決闘」1971年11月12日放送
 第33話「怪獣使いと少年」1971年11月19日放送
 第34話「許されざるいのち」1971年11月26日放送

……の4作品の通称です。

 これは公式に定められたものではありません。第2期と第3期ウルトラシリーズの間にファンから言われるようになったもので、『帰ってきたウルトラマン』のなかで傑作と言われるエピソードが11月に集中して放送されたことを指しています。

 それでは各エピソードと見どころを簡単に説明しましょう。

 第31話「悪魔と天使の間に…」は、本作で初めてとなる侵略宇宙人のゼラン星人が登場、障害のある男の子を装って卑怯な手段で罠を仕掛け、郷秀樹を孤立させてウルトラマンを窮地に追いやるというストーリーです。男の子がテレパシーを使う場面では印象的な効果で宇宙人らしさを演出していました。

 第32話「落日の決闘」は、珍しいコメディタッチのストーリーです。脚本は先日お亡くなりになられた飯島敏宏さんが千束北男名義で書かれたもので、進化する怪獣キングマイマイ、迷彩仕様で登場するマットビハイクル、等身大のウルトラマンなど、この回でしか見られないものが多くありました。

 第33話「怪獣使いと少年」は差別問題を取り入れた意欲作で、『帰ってきたウルトラマン』を語る時、引用されることが多いエピソードです。「宇宙人はすべて侵略者、人間は被害者」という概念に警鐘を鳴らす、すべてのウルトラシリーズのなかでも特異な問題作といえるでしょう。

 第34話「許されざるいのち」は、動物でも植物でもない生物を生み出そうとして、それが怪獣となってしまったことを苦悩する科学者の話でした。怪獣のデザインと物語の原案は一般から寄せられたもので、後に映画『ゴジラvsビオランテ』の原案公募でも採用された小林晋一郎さんによるものです。

 本来ならばもっと詳しく解説したいところですが、簡単な説明で失礼しました。とにかく、『帰ってきたウルトラマン』を見ていくと、「ちょっと違うな」と感じさせる異色作が11月に集中していたということでしょうか。それを「11月の傑作群」とファンが呼ぶようになり、そのクオリティは第1期ウルトラシリーズにも匹敵すると言われることになりました。

 それが第3期ウルトラシリーズの始まる前から言われるようになったわけですから、45年くらい前の話です。以降、書籍などでもよく取り上げられ、ウルトラファンなら誰もが知っている逸話。しかし、このフレーズに異論をはさむ人も多くいます。かくいう筆者も長年、疑問に思っていました。

【画像】ウルトラシリーズきっての問題作「怪獣使いと少年」の真相に迫る書籍

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