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『帰ってきたウルトラマン』の「11月の傑作群」…実は作品を褒めていなかった?

「11月の傑作群」と呼ばれるようになった理由とは?

『帰ってきたウルトラマン』DVD9巻(円谷プロダクション)。第33話「怪獣使いと少年」のエピソードを収録している
『帰ってきたウルトラマン』DVD9巻(円谷プロダクション)。第33話「怪獣使いと少年」のエピソードを収録している

 この「11月の傑作群」というキャッチコピーは、もともとは「第1期の『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』より第2期シリーズは劣っているが、『11月の傑作群』だけは例外的に傑作」……といった意味がありました。つまり、どちらかというとマイナスのイメージから生まれた言葉だったのです。

 確かに第1期ウルトラシリーズは傑作が多く、「11月の傑作群」もまた傑作でしょう。しかし、第2期は第1期と比較してそれほど面白くないのか? というと疑問を感じます。第2期は子供向けの要素が多く、海外でのセールスを考えていた第1期と比べて、日本の風土、家庭といった部分が多く描かれていました。そういう経緯からSF要素を前面に出した第1期とは作品のカラーが大きく違います。スタッフも入れ替わっているのですから当然のことでしょう。

 これは筆者の私論ですが、シリーズが続くと、どうしても最初の作品が究極にして至高という風潮が出るものです。特にシリーズの間が数年以上あると顕著でしょう。他にも『ゴジラ』や『仮面ライダー』、アニメでは『ガンダム』なども、ここまでは名作でこの後は駄作……などと簡単に言う人が少なくありません。逆に初代を超えた名作……と大勢の人が支持するシリーズ作品はあまり聞かれないのではないでしょうか?

 つまり、シリーズが長くなればなるほど、世代間ギャップから来る対立構造は生まれやすいものです。

 話を元に戻しますと、「11月の傑作群」というフレーズに違和感を覚えるのはそこの部分です。一見、称賛しているようで全体的には平凡な作品というニュアンスを感じるからです。第2期をリアルタイム子供で見ていた筆者としては、『帰ってきたウルトラマン』すべてが傑作群。むしろ面白くない話はないとさえ思っています。つまり「11月の傑作群」というフレーズが、他の『帰ってきたウルトラマン』の傑作を見逃してしまう。……そう思うと残念で仕方ありません。

 確かに言葉が生まれた時代には年長者を説得するのに必要なフレーズだったかもしれませんが、第3期、海外シリーズ、TDGなどその後にもシリーズは続いていますので、呪縛にも似たキャッチコピーはそろそろ下ろしてもいいのではないでしょうか?

 ちなみに前述した「ここまで名作」という言葉は、『戦隊シリーズ』と『プリキュア』ではあまり聞きません。どちらも、ほぼ続けて作品が作られているからでしょうか。「最近の〇〇は……」という上から目線は世代間ギャップを生むだけなので、筆者はできるだけ言わないよう控えております。

(加々美利治)

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