『ゼンカイジャー』のやりたい放題回3選。「公式が病気」「何を見せられてるんだ」の声
2021年3月に放送開始し、良い意味で「問題作」の呼び声が高いスーパー戦隊シリーズ第45作目『機界戦隊ゼンカイジャー』。歴代の戦隊の力を借りて戦う点も大きな見どころですが、その描き方の混沌ぶりが毎回話題になりました。放送開始から半年以上たったこのタイミングで、そのやりたい放題ぶりを振り返ってみたいと思います。
カオスな展開が日常茶飯事?

毎週、放送のたびに何かとSNSを騒がせている『機界戦隊ゼンカイジャー』(以下、ゼンカイジャー)。スーパー戦隊シリーズ第45作目の本作は人間ひとりに対しロボ戦士4人という、斬新すぎるチーム編成になっています。
放送開始から半年以上が経過しても、期待を裏切ることのないカオスぶりを発揮し続けています。この記事では、特にSNSを賑わせ、ファンに「公式が病気」とまで言わしめた「やりたい放題」なエピソードを紹介します。
●「夏休み回」にもほどがある……第24カイ「侵略完了!できるか奪回?!」
アニメや特撮でおなじみの「夏休み回」。これまでシリアスな展開が続いてきたなか、ちょっと一息……という具合に差し込まれるのが定番ですが、『ゼンカイジャー』は基本がカオスなコメディ路線です。それゆえに、いつもと同じギャグ展開にただただカオスぶりが上乗せされたエピソードとなりました。
人間の脳をバカンス状態にしてしまうという夢のような能力を持った敵、バカンスワルドが現れ、地球はあっという間に「侵略完了」されてしまいます。字面だけ見ればバッドエンドですが、人びとはバカンスワルドたちと一緒に夏休みを満喫しているだけなので、楽しそうです。そこからは、『ゼンカイジャー』ではお馴染みの「演出」と「内容」が釣り合っていない珍バトルが展開されます。
ビーチバレーに浮き輪投げ、スイカ割りバトルをしているなか主題歌の挿入。この回の直前に『仮面ライダーセイバー』の最終回が放送されており、そのシリアスさとの落差も相まってかSNSは大盛り上がりでした。特にバカンスワルドの「休みが終わらなきゃ良いのにーーっ!」という断末魔には、敵とは思えないレベルで視聴者の共感が集まりました。
●現実もかしわ餅に乗っ取られる…第9カイ「世界海賊、愉快ツーカイ!」
「カシワモチカシワモチカシワモチカシワモチ……」
第9カイ「世界海賊、愉快ツーカイ!」が放送されたときに、スーパー戦隊関連の公式アカウントで続々とこのような投稿がなされました。いったい、何が起きたというのでしょうか。
そもそも本来、このエピソードでは新たに登場した「界賊」一家ゴールドツイカーを全面フィーチャーしなくてはならないはずです。ところが、この回で登場した敵カシワモチワルドは「人間をかしわ餅中毒にしてしまう」という凄まじい能力と癖の持ち主。視聴者がまだ新キャラ・界賊一家の情報を処理しきれていないまま、カシワモチワルド戦は混沌に陥ります。
カシワモチワルドは巨大化してゼンカイジャーたちをかしわ餅に包み込み、召喚した鯉のぼりに相手をついばませるという悪夢のような攻撃をしかけてきます。あまりのカオスぶりに、SNSでも「#柏餅中毒」がトレンド入り。また「かしわ餅売り切れてた」という声が続出するなど、カシワモチワルドが現実を浸食するという異様な事態になりました。
●『ジェットマン』の最終回パロにBL展開! 第18カイ「いのち短し、恋せよゼンカイ!」
「我々は何を見せられているのだ……」などの声が続出したのが、こちらのエピソード。人びとを恋の力で堕落させてしまうレンアイワルドの力によって、ゼンカイジャーはみな恋の嵐に巻き込まれ、キカイノイド(ロボ戦士)であるジュランとガオーンがまさかのBL関係に発展してしまいます。
この展開にはSNSが大いに賑わいました。さらにそこから、『鳥人戦隊ジェットマン』の伝説の最終回の完全パロディが始まるのです。この混沌を極めた内容に、公式SNSアカウントが「これは一体……」と呟く事態に。『ゼンカイジャー』屈指のやりたい放題エピソードと言えるでしょう。
ここまで『ゼンカイジャー』のやりたい放題回を選出してきました。ここまでみてわかる通り『ゼンカイジャー』の魅力はメインターゲットである未就学児はもちろんのこと、これまで戦隊シリーズに親しんできた全ての人たちに向けて作られた「計算し尽くされたカオス」です。
解像度の高い特撮ファンは細かい歴代戦隊ネタに心踊り、子供たちはただただ楽しいド派手なバトルが楽しめる……視聴者とともに生み出されるカオスな熱はクライマックスにいくにつれてますます高まっていくことでしょう。
(片野)