アニメ・マンガ感涙の「墓前シーン」4選 名セリフが忘れられない…
マンガやアニメの名作に訪れる死別シーン……。友人や恩師など故人を悼む「墓前シーン」が感動を呼ぶ名作は多い印象です。この記事では、キャラクター同士の強い絆や友情が垣間見える、印象的な名セリフとあわせて、感動の「墓前シーン」を4つ紹介します。
シェリー酒を片手に「ゼファー先生」へ捧げる名セリフ
さまざまなマンガ・アニメで描かれる友人や同僚、恩人や家族との死別……。涙なしでは見られないエピソードが多々描かれますが、故人を悼む「墓前シーン」も人気作の定番です。
この記事では、人気マンガ・アニメで描かれた感動の「墓前シーン」をピックアップ。キャラクター同士の強い絆や友情が垣間見える、印象的な名セリフとあわせて紹介します。
※この記事では『ONE PIECE FILM Z』『鋼の錬金術師』『銀魂』『WORST』のキャラの生死に関わる描写を含みます。
●『ONE PIECE FILM Z』
まずは、原作コミックス第100巻が発売され、さらに注目を浴びている国民的アニメ『ワンピース』。同作といえば、さまざまなキャラクターの「死」や「別れ」の感動シーンが描かれます。なかでも筆者が強い衝撃を受けた「墓前シーン」が『ONE PIECE FILM Z』で描かれました。
『ONE PIECE FILM Z』は2012年に描かれた劇場版12作目。最終興行収入はシリーズ最高となる68億7000万円を記録するなど大ヒット。「黒腕のゼファー」と呼ばれた伝説の海軍元大将を相手に、麦わらのルフィが「新世界」の命運をかけて戦いを挑む物語です。
ゼファーは、もともと「全ての海兵を育てた男」と言われるほどの海軍の名教官。海軍最高戦力「三大将」の「青キジ」「赤犬」「黄猿」らを教えていました。しかし、演習中に海賊に襲われたある事件をキッカケに教え子たちを失い、海軍や世界に絶望。「ゼット(Z)」と名を変え、生き残った教え子のアインやビンズらとともに「NEO海軍」を名乗り「新世界」を滅ぼそうとするのです。
ゼットとなった後も「ゼファー先生」と慕う青キジは、恩師を死なせたくないため、計画を止めようと説得しますが「海賊という悪を滅亡させるため」「海軍には真の正義を遂行できない」と聞き入れられることはありませんでした。
最終局面では、ゼットは海楼石製のバトルスマッシャーを武器にルフィと戦いますが、共倒れのような形で敗北。企てを阻止されると、その戦場を大将「黄猿」率いる海軍に囲まれてしまい、自分の犯した過ちに落とし前をつけるためルフィらを逃がし、海軍に戦いを挑みます。かつての教え子らを相手に「お前たちに最後の稽古をつけてやる!」という最期の言葉を吐き、涙を流しながら戦う教え子らに敗れて戦死してしまいます。
その後、アインとビンズがバトルスマッシャーを墓標に墓を作りますが、ふたりは号泣。そこへ、「ゼファー先生が好きだった」という思い出の“シェリー酒”を持った青キジが訪れ「泣くな! 男が自分の人生に一本、筋を通して逝ったんだ」「かっこいいじゃねえか……」と、墓前で感動のセリフを残すのでした。
恩師であるゼファーのようになりたかった青キジは、まねしてよくシェリー酒を飲んでいたそうです。アインとビンズの悲しんでいる様子、そして青キジの行動が、ゼファーがどれだけ求心力のある人格者だったかを物語るシーンでした。