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『WRC10』は「上手くなる歓び」を堪能できる、本物志向のラリーレーシングゲーム

公道を舞台に世界中が熱狂するラリー競技の最高峰「WRC」の現在と50年の歴史をリアルに再現したゲーム『WRC10 FIA世界ラリー選手権』が発売されています。ラリー競技の世界を肌で体験してきた自動車ジャーナリストの視点で、同作の面白さをひもときます。

WRCの「雰囲気」ではなく「リアル」を味わえるゲーム

『WRC10 FIA世界ラリー選手権』のプレイ画面
『WRC10 FIA世界ラリー選手権』のプレイ画面

 公道を舞台としたモータースポーツ「WRC」(世界ラリー選手権)公認のレースゲーム『WRC10 FIA世界ラリー選手権』が、2021年10月28日よりPlayStation4/PlayStation 5向けに発売されています。WRC開催50周年を記念し、伝説の名車や著名レース、日本で開催予定のコースなど盛りだくさんの内容を収録。ラリー競技の頂点をリアルに体感できる作品です。

 そこで今回は、ラリー競技への参戦経験もある自動車研究家の山本シンヤさんに『WRC10』をプレイしていただき、同作の面白さやラリー競技の再現度などについて解説してもらいます。山本さんは、WRCに参戦しているラリーカーへの乗車経験もある、数少ない日本人ジャーナリストのひとりです。

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 モータースポーツのカテゴリーのひとつ「ラリー」の特徴は、「一般公道」を用いて、「市販車」がベースのマシンで、1台ずつ走って「タイム」を競い合います。その最高峰ともいえるWRCは1973年に創設され、世界各国のターマック(舗装路)、グラベル(非舗装路)、スノー(積雪路)などさまざまなコンディションの道で開催されます。すでに40年以上の歴史を持ち、欧州や南米ではF1にも勝るとも劣らない人気を集めています。

 日本でも1990年代に国内メーカーがこぞって参戦したことで人気が高まり、2004~2010年には日本でもWRCが開催されましたが、景気後退などを理由に日本メーカーが撤退し、人気は鎮静化……。しかし、2017年にトヨタが21年ぶりに復帰したことで人気が再燃しています。新型コロナウイルスの影響で二度の開催中止を経験しましたが、来年2022年にWRCの国内開催(11月10~13日)も決定しています。

 そんな状況のなか発売された『WRC10』は、WRCを主催しているFIA(国際自動車連盟)より公式ライセンスを受けたラリーゲームの10作目となります。

 これまでもさまざまなラリーゲームが発売され、筆者(山本シンヤ)も色々体験をしてきましたが、どちらかというと「ラリーの雰囲気を味わう」というゲームが多い傾向でした。一方『WRC10』は「リアル」にこだわっている作品です。登場するチームやマシンはもちろんのこと、走行するラリーのステージも全て正真正銘の本物。つまり、WRCの2021シーズンで使われる全てのステージを、上位カテゴリーから下位カテゴリーまで52の最新チームから選択して走行できるのです。

 ただ、そうは言っても「実際に試してみないと……ね」というのが筆者の本音ですので、発売元の協力をいただき、実際に「試走」させてもらいました。

【画像】最新シーズンの再現から伝説の名車まで!『WRC10』の豊富すぎるプレイ内容(9枚)

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