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金ローで『アナ雪』が2週放送 元ネタは「怖すぎ」なのに、ディズニーアニメでは人気の理由

ディズニーアニメの『ピノキオ』と原作『ピノッキオの冒険』も大きく違う

全国公開中の映画『ほんとうのピノッキオ』 配給/ハピネットファントム・スタジオcopyright 2019(c)ARCHIMEDE SRL-LE PACTE SASLE PACTE SAS
全国公開中の映画『ほんとうのピノッキオ』 配給/ハピネットファントム・スタジオcopyright 2019(c)ARCHIMEDE SRL-LE PACTE SASLE PACTE SAS

 イタリアで2019年に大ヒットした映画『ほんとうのピノッキオ』が、現在は日本でも劇場公開中です。イタリアで親しまれている児童文学『ピノッキオの冒険』を、リアルに実写化した作品です。木の肌をした人形のピノッキオはCGではなく、特殊メイクをした少年が演じています。かなり不気味なダークファンタジーです。

 スタンダードナンバー「星に願いを」で有名なディズニーアニメ『ピノキオ』(1940年)と、実写映画『ほんとうのピノッキオ』を見比べると、その違いに驚きます。ピノッキオの育ての親であるジェペットじいさんは貧しく、結婚できずにいます。寂しさを紛らわせるために作った操り人形がピノッキオでした。原作が執筆された19世紀イタリアの庶民の生活の厳しさが伝わってきます。

 ディズニー版『ピノキオ』では、ピノキオが飲み込まれるのは鯨ですが、これも原作とは異なります。鯨ではなく、大ザメに原作のピノッキオは飲み込まれるのです。

『ピノッキオの冒険』の原作者カルロ・コッローディが暮らした街では、「高利貸し」のことを大ザメと呼んでいたそうです。大ザメに飲み込まれるということは、借金で身動きが取れなくなることの暗喩でもあったのです。お金で苦労し、ずっと独身のままだった原作者コッローディの実体験が投影されています。

ディズニーが大人にも人気の理由

 原作から大きく変わったディズニーアニメとして、『リトル・マーメイド』(1989年)も挙げることができます。原作はアンデルセン童話の『人魚姫』です。人間の王子さまに恋をした人魚姫は、声を失っても王子さまの愛を得ることを願いますが、その想いは叶うことなく、最後には海の泡となって消えてしまう悲しい物語です。王子さまと晴れて結ばれるハッピーエンドの『リトル・マーメイド』とは、まるで味わいが異なります。

 ディズニーアニメでは、主人公たちはさまざまな試練を体験しますが、最後にはハッピーエンドが訪れることがお約束となっています。ハッピーエンドと決まっていれば、観る側は安心して楽しむことができます。でも、現実世界はディズニーアニメと違って、ハッピーエンドが待っているとは限りません。

 現実世界はままならないもの。仮に王子さま(みたいな人)と結ばれても、結婚後がさらに大変……。大人になれば、そのことを身に染みて覚えることになります。それゆえに、せめて映画の世界だけはハッピーエンドで終わることを、多くの人は望んでいるのではないでしょうか。大人たちも含め、ディズニー映画がますます人気を集めているのには、そんな理由があるのかもしれません。

(長野辰次)

【画像】本当は怖すぎる存在だった『雪の女王』…アンデルセン原作の書籍と映像作品たち(5枚)

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