多くの出演作を誇る声優・置鮎龍太郎 出演回数が多すぎて「断られた」エピソードも
出演作が多い「ジャンプ」アニメや時代物、「スパロボ」
置鮎さんと言えば、「週刊少年ジャンプ」系アニメの出演が多いとファンには言われています。前述の三井とぬ〜べ〜の他にも、『ドクタースランプ』(1997〜1999年)ではDr.マシリトと摘突詰、『テニスの王子様』(2001〜2012年)の手塚国光、『聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編』(2002年)の双子座のサガと双子座のカノン、『リングにかけろ1』(2004〜2011年)の剣崎順、『BLEACH』(2004年〜)の朽木白哉、『ボボボーボ・ボーボボ』(2003〜2005年)のツル・ツルリーナ3世、『ONE PIECE(1999年〜)のカク、黄猿/ボルサリーノ、『トリコ』(2011〜2014年)のトリコ、と代表的なものだけでも挙げるといかに多いかが分かるでしょう。
置鮎さんの最近の活躍といえば、2021年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』で、声優でなく俳優として顔出しで正親町三条実愛を演じたことを覚えている人も多いことと思います。実は置鮎さんは歴史上の人物とは縁が深く、『炎の蜃気楼』(2002年)で織田信長、「戦国BASARA」シリーズ(2009〜2018年)で豊臣秀吉、『信長の忍び』(2016〜2018年)で徳川家康の三英傑をすべて演じていました。この偉業は実写ドラマでも数人しか達成しておらず、アニメでは置鮎さんだけだと言われています。
この正親町三条実愛は京都弁で話しますが、置鮎さんは以前に演じていた『名探偵コナン』(1997年〜)で同じく京都弁を話す綾小路文麿がいい経験になったと言っていました。実は置鮎さんは大阪育ちなので、もともとは大阪弁だったそうです。ちなみに『コナン』では出番の多い沖矢昴のほうが有名でしょうか。
置鮎さんはTVアニメの出演本数が多い声優ベスト3に入るそうで、90年代後半から出演本数は毎年10本前後以上を誇っています。まだ挙げていない筆者チョイスの代表的キャラを振り返ってみても、『烈火の炎』(1997年)の紅麗、『機動戦士ガンダムSEED』(2002年)のアンドリュー・バルトフェルド、『おねがいマイメロディシリーズ』(2005〜2008年)柊恵一/ウサミミ仮面、『Yes!プリキュア5GoGo!』(2008年)のムカーディア、『カードファイト!! ヴァンガードGシリーズ』(2014〜2018年)の大山リュウタロウなど、コンスタントにさまざまなキャラを演じていることが分かるでしょう。
出演本数が多いと言えば、ゲームでのオリジナルキャラもかなりの数を演じていました。なかでも「無双」シリーズや「スーパーロボット大戦」シリーズの出演回数は特に多く、『スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ』ではスカルナイト役に立候補したものの、スタッフから「置鮎さんはオリジナルキャラを演じすぎなんで今回はご遠慮ください」と言われたそうです。しかし、結局はスカルナイトを演じたという逸話がありました。
声優として出演頻度が高く、いつも聞いているようなイメージがある置鮎さん。そのたぐいまれなる演技力で、これからも多くのアニメキャラに命を吹き込んでください。
(加々美利治)