『機動戦士ガンダム』34話「宿命の出会い」 シャアとアムロ、ララァ…因縁の始まり
補充されたリック・ドムもアムロの前では……「動きが見える」

帰還したアムロを迎え、修理を終えたホワイトベースはコンスコン艦隊に監視されながらサイド6を出港します。このとき出撃していたリック・ドムは6機。おそらく補充されたものでしょう。サイド6の領海内でカムラン・ブルームが命がけでホワイトベースを先導する状況のもと、リック・ドムはからかうようにブリッジのそばをかすめていきます。
戦闘開始の直前、カムランはブライトとミライに促され、ホワイトベースのブリッジを見つめながら引き返します。カムランのミライへの気持ちの強さを感じさせる、印象深いシーンです。しかし無情にも戦闘は開始され、カムランたちが乗るランチと入れ替わって、TV局の小型船が戦場へと向かっていくシーンが描かれます。『ガンダム』の世界でも現実と同じように、戦闘、すなわち人の殺し合いの映像はニュースや娯楽として消費されているのです。テム・レイはアムロの戦いぶりをみて興奮し、ララァは「白いモビルスーツが勝つわ」と予言します。
肝心の戦いについては、前回12機のリック・ドムで歯が立たなかった以上、コンスコン艦隊には勝ち目はありません。ホワイトベース隊で出撃を確認できたのはガンダムだけでしたが、それで十分だったのです。リック・ドムのパイロットたちは善戦しますが力及ばずアムロにせん滅され、ムサイ1隻もホワイトベースに撃沈されます。コンスコンはホワイトベースに特攻を仕掛けますが、ガンダムのビームサーベルに2か所の心臓部を破壊され爆沈、戦闘は終了します。
多くの人びとの命と想いを飲み込んだサイド6を後にしたアムロたちでしたが、戦争はさらなる苛烈な戦いを強いてきました。次回、ホワイトベース隊はジオン軍の拠点のひとつ、ソロモンへの攻撃に加わることとなるのです。
(早川清一朗)
※2021.11.30 本文の一部を修正しました。