超性格が悪い『ジョジョ』のスタンド4選!ゲスな心が反映された無差別殺人能力とは?
『ジョジョの奇妙な冒険』に出てくるスタンド能力は本体の人格を反映しています。ということは「悪人」はいったいどんなスタンドを生み出してしまうのでしょうか……。今回は本人の性格の悪さゆえに生まれた厄介なスタンドを4つ紹介します!
ラスボスをも嫌悪させた「最低のゲス」能力者とは……?
『ジョジョの奇妙な冒険』(著:荒木飛呂彦)に登場するスタンドという特殊能力は、本人の性格や能力、そして精神力を具現化したものです。つまり、人となりがスタンドの個性に大きく反映されています。たとえば『ジョジョ』屈指の偏屈キャラであるマンガ家・岸辺露伴のスタンド「ヘブンズ・ドアー」は、相手を本のような状態にして情報を読み取ってしまうという能力。リアリティを追求するという彼のマンガ家としての美学が大いに反映されたスタンドです。
さらに『ジョジョ』には数多くの恐ろしい敵キャラが登場します。彼らは程度の差こそありますが「悪」の資質を備えており、スタンドもまた悪辣なものばかり。この記事ではそんな「本体の性格の悪さが反映されたイヤなスタンド」を紹介し、持ち主の曲者ぶりと合わせて解説します。
●ラバーズ(第3部)
第3部に登場したスティーリー(鋼入りの)・ダンが操るスタンド「ラバーズ」は体長わずか1mm程度しかなく、その攻撃力は本人をして「史上最弱」と言わしめるほど脆弱でした。ダンはこの極小サイズの「ラバーズ」を空条承太郎の祖父ジョセフ・ジョースターの脳内へと侵入させ人質にすると、承太郎を脅して橋代わりに背中を歩くなど好き放題にふるまいます。結局、劇中最も多くの「オラオラ」ラッシュをくらう羽目になりました。文字通り、人間としての小ささをうかがわせるスタンドでした。
●サーフィス(第4部)
第4部の敵役・間田敏和のスタンド「サーフィス」もまた下劣です。本体の間田は弱いものいじめが大好きで、まさに「小悪党」という言葉がぴったりの高校生。「サーフィス」の能力は相手の容姿性格をコピーした人形を生み出し、その人形の動きに合わせて相手を操るというものです。自分では直接手を下さないところに、彼の陰湿な人格が象徴されています。なお、登場するごとに頭身が縮んでいるように見えるのは、彼の能力とは関係ないようです。
●グリーン・デイ(第5部)
第5部に出てきた「グリーン・デイ」の悪質さは、上記2スタンドとは比べようもありません。本体のチョコラータは元医師ですが、その正体は患者を利用して実験を繰り返してきた猟奇殺人者でした。その凶悪ぶりは第5部のラスボス・ディアボロにまで「最低のゲス」と言われるほどです。彼の操る「グリーン・デイ」は生きている動植物の体を腐らすカビを繁殖させる能力。攻撃対象は現在位置より「下」に移動したもの全てであり、カビも自力で繁殖するためほぼ無限と言えます。
『ジョジョ』シリーズ全体を通しても、これほどまでに恐ろしいスタンドはなかなか登場しません。その後、本体のチョコラータはジョルノからダンを凌ぐ「無駄無駄」ラッシュを食らうことになります。無差別に多くの人を攻撃するその所業は、紛れもなく「最低のゲス」でした。
●グーグー・ドールズ(6部)
仲間も敵も囚人ばかりという第6部に登場するスタンドは、どれも一筋縄ではいかないものばかりですが、序盤で戦うことになる「グーグー・ドールズ」は特にイヤな能力でした。本体は空条徐倫と同房のグェスという囚人です。彼女はいびつな支配欲の塊で、相手を自分の意のままにしようと追い詰めていきます。彼女のスタンド「グーグー・ドールズ」は、狙った相手を小さくするという能力で、まさにグェスの支配欲求を具現化したものです。
小さくしてペットのように徐倫を可愛がるグェスですが、ひとたび彼女の支配下から逃れようとすると、「グーグー・ドールズ」は容赦なく攻撃を仕掛けてきます。序盤からこの始末……第6部はこれ以降そんな敵スタンドが次々に登場します。
以上、本体の性格の悪さが反映されたイヤなスタンドを解説してきました。ここまで見てきたとおり、『ジョジョ』では人間が持つ「悪の心」をスタンドという形で隠さずにえぐり出して描いています。愛や正義など見栄えの良い部分だけでなく、「吐き気を催す邪悪」をもきっちり直視してこその「人間賛歌」なのかもしれません。
(片野)