『RPGツクール』初心者あるある6選「とりあえず最強のモンスターを作る」
今もなお続く人気ゲーム「RPGツクール」シリーズ。自分の手でお手軽にRPGが作れる最高のゲームなのですが初心者にはどうしても超えなくてはならない壁がありました。懐かしい「あるある」をお届けします。
『RPGツクール』初心者には超えなくてはならない大きな壁があった…
「RPGツクール」シリーズはまさに夢のようなゲームでした。その名前のとおり専門知識がなくても気軽に自分だけのRPGが作成できるというもの。1990年に第1作がPCゲーム用にリリースされて以降、スーパーファミコン、ゲームボーイ、PlayStationとハードを変えてリリースされ続けました。最新作の『RPGツクールMZ』(ダウンロード版のみ)では猛者(ツクラー)たちが単なるRPG制作だけでなく例えば「図書館の館内ガイド」として用いるなど「ツクール」シリーズの可能性を広げています。
とはいえRPGをひとりで作り上げる作業は実に根気がいるものであり、その道のりは孤独との戦いでもありました。この記事では懐かしき「RPGツクール」初心者あるあるを振り返りたいと思います。
●ずっと敵や魔法ばっかり作って肝心の「シナリオ」に入らない
「RPGツクール」の初心者が最も陥りがちな「あるある」はこれかもしれません。同シリーズの多くはキャラクター、敵、魔法、アイテムなどを作る「システムデータ」と実際にストーリーを動かす「シナリオデータ」に分かれています。この「システムデータ」でオリジナルのキャラクター、武器、ボスキャラなどを作成しているうちに、気づけば満足してしまう志の低いツクラーが全国に続出したのです。
●とりあえず最強のモンスターを作る
小学生ツクラーにありがちなのがこちらでしょう。彼らほど「最強」に焦がれるものはいません。そんな小学生にとってキャラのステータスは最強にし放題の「RPGツクール」は禁断の果実でした。遠慮なく全て「9999」状態にした魔王を作ったり、あるいはビジュアルをかわいいスライム系のモンスターにしたりして、時を忘れては「最強」をこねくり回しました。
●「メラミ」と「ファイア」の間のような炎呪文を作ってみる
ナンバリングが上がるにつれて魔法や特技の効果エフェクトも豊富になり、サンプルを眺めているだけで胸がときめきました。そのなかから、初心者ツクラーは決まって炎系の呪文を作ろうとします。『ドラクエ』の「メラ」と『FF』の「ファイア」を参考に「フレイム」「バーン」「ボワ」のような呪文をとりあえず用意しました。その次は当然のごとくダメージ「99999…」の最強呪文を作る作業へと移行します。
●ただBGMを聴くだけの時間が流れる
とにかく使用可能なBGMが素晴らしいのが「RPGツクール」シリーズの特徴。「オープニング1」「オープニング2」などひとつのシチュエーションで複数のBGMが用意されています。上記のような外堀作業が終わった志の低い初心者にとって「RPGツクール」はもはやジュークボックスと化します。「海」「神秘」「フィールド2」など簡素なタイトルの音楽にひたすら耳を傾け続けました。
●テストプレイでいきなり大海原の真ん中にぽつん
上のような状態を乗り越えて、とりあえず「最初の村」と「お城へのおつかい」のみで構成されたごくごく簡単なストーリーを作成し、いざテストプレイしてみると、なぜか主人公が村ではなく大海原の真ん中に放り出されているなんてことがあります。そう、私たちは「プレイヤーの初期位置を決める」ことをついつい忘れてしまうのです。
●いざ真面目に作ったゲームを友達にやってもらうと…恥ずかしい!!
一念発起しなんとか本格的なRPGを作ったいいものの……いざ自作の「ドラクエっぽいもの」を友達にプレイしてもらった時のいたたまれなさったらありません。伝説の剣の名前や、必死に検索して難しい言葉を並べた魔王のセリフなどが急に恥ずかしくなり、途中でふざけて同級生や先生の名を冠したモンスターを作ってしまいがちです。ここを乗り越えられるか否かが初心者と中級者の分水嶺だったのでしょう。
ということで、夢のようなゲーム「RPGツクール」の志が低い初心者あるあるを振り返りました。あの頃、部屋で延々と流れ続けていたエディット画面のBGMが脳内で再生され始めた方もいるのではないでしょうか。未完成のRPGがもし実家にあるなら、ぜひあなたの手で物語を完結させてあげてください。
(片野)