高貴なイメージの似合う声優・島本須美 意外なスーパーヒーロー役とは?
クラリスやナウシカなど、高貴なイメージのプリンセスを何人も演じたレジェンド声優の島本須美さん。演じてきたキャラのなかにはアニメ化された実在のプリンセスや、憧れの王子様までいました。
運命的な出会いから宮崎作品三大美少女を演じる
12月8日は声優の島本須美(しまもと・すみ)さんのお誕生日です。島本さんというとデビュー以来、清潔感のある女性キャラを多く演じているイメージをみなさんもお持ちのことでしょう。そのデビュー当時のことから、これまでに演じてきたキャラクターたちの数々を振り返ってみたいと思います。
島本さんは新体操が得意なスポーツウーマンでしたが、高校では体操部がなかったため、演劇部に入部しました。このことがきっかけで演劇に興味を示すようになり、俳優を目指すために上京したそうです。
それから劇団に入って、いくつかのドラマに出演しました。そして、『ザ☆ウルトラマン』(1979年)の星川ムツミで声優デビューと同時にレギュラー役を得ることになります。時系列で言うと、『ゼンダマン』(1979年)の第3話「エデンの園だよ!ゼンダマン」のゲストキャラのイブ役が先に放送されていますが、ムツミ隊員のほうが先に出演が決まっていました。
こうして初めてのアニメ作品でレギュラーを得た島本さんでしたが、曜日の決まっているアフレコ収録日のため、好きだった地方での舞台公演ができないことに不満を持ち、この頃は事務所にアニメのレギュラーはもうしないと言ったという逸話があります。
しかし、この少し前に島本さんは運命的な出会いをしていました。それは『赤毛のアン』(1979年)の主演オーディションに最終選考まで残りながら、惜しくもアン役に選ばれなかった時のことです。島本さんの演技に興味を持ったスタッフのなかに、あの宮崎駿さんがいました。
その縁で宮崎さんは劇場版アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)のクラリス・ド・カリオストロのオーディションに呼んで、島本さんは見事にクラリス役を手にします。この時の縁が『ルパン三世 (第2作)』の最終回「さらば愛しきルパンよ」でゲストヒロインとなった小山田真希を演じるきっかけにもなりました。
そして、宮崎作品の代表作ともいえる劇場版アニメ『風の谷のナウシカ』(1984年)では自主的にオーディションに参加、見事ナウシカ役を手に入れます。一部のファンからはこの3人のキャラ、クラリス、小山田真希、ナウシカを「島本須美の演じた三大宮崎ヒロイン」と評されていました。
このほかにも島本さんは『となりのトトロ』(1988年)では草壁靖子(お母さん)や、『もののけ姫』(1997年)のトキなどで宮崎さんの劇場版作品に出演しています。