「タイトル回収」が感動的なマンガ3選 読者が興奮する最大の伏線
作中に散りばめられた「伏線」が回収されるシーンは胸がおどります。そのなかでも読者に「気持ち良さ」を与えてくれる、「タイトル回収」シーンが印象的なマンガを3作品紹介します。
「タイトル回収」シーンって気持ちいい!?
マンガのなかに散りばめられた伏線が回収されるシーンには、思わず「おっ!」と声が出てしまうほど興奮するのではないでしょうか。特に、作品に付けられた「タイトル」の意味が明かされるシーンが作中で描かれる作品は、強く印象に残ります。この記事ではタイトル回収される作品を3つ紹介します。
※この記事では『葬送のフリーレン』『僕だけがいない街』『天神-TENZIN-』の一部ネタバレを含みます。
●『葬送のフリーレン』

魔王を倒した勇者一行。世界を救った勇者が老いて亡くなったあと、長寿のエルフ・フリーレンが旅をする作品です。1000年の寿命を持つフリーレンと、エルフから見ればごく短い寿命の人間たちによる、切なくも温かい後日譚(アフター)ファンタジーです。
「葬送のフリーレン、私の嫌いな天才だ」
2巻でのバトルシーンで魔族のセリフによって、タイトルが回収されます。80年前、勇者とともに戦った魔族のことを、フリーレンは特に覚えている様子はなく魔法で軽々と倒してしまいます。しかし、魔族は魔王が倒され、長い月日が経ってもフリーレンのことを忘れられていませんでした。フリーレンは魔族たちを葬り去る、死神のような恐ろしい存在だったことをうかがわせるセリフです。
●『僕だけがいない街』

この作品は売れない漫画家・藤沼悟が「再上映・リバイバル」と呼ぶ、タイムリープする能力で過去を変える物語です。しかし、この能力は自分の意志とは無関係に発動し「悪いこと(事件・事故など)」を回避するまで永遠にタイムリープが繰り返されてしまうのです。
「僕だけがいない街、そこに刻まれた時間こそ、僕の宝物だ」
タイトルが回収されるのは最終巻です。このタイトルにこめられた、主人公・悟の思いが伝わってくるシーンです。15年ものあいだ昏睡状態にある自分を、覚え続けてくれていてくれる友達や母親との確かな絆。それを意味するのが「僕だけがいない街」という言葉だったのです。
●『天神-TENZIN-』

空にあこがれる青年・坂上陸は父が言っていた、空に住む守り神・天神に逢いたい、という夢がありました。周りにバカにされながらも、父の言葉を信じて、信念を貫き通す陸。はるか上空、音速の世界で巻き起こる、空に魅せられた少年、少女の物語です。
「天神に逢いに行く」
一番はじめに「タイトル回収」されたのは幼い頃、陸が友達に「天神って知ってる?」とたずねるシーンです。次に「タイトル回収」されるセリフが「天神に逢いに行く」という言葉です。これは父親の起こした事故や仲間との衝突、さまざまな苦難が待ち受けていてもこの信念は曲げない、という陸の気持ちの強さがよくあらわれているセリフです。
(マグミクス編集部)