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ウルトラの「科学者」たちは有能すぎ? 超技術でラスボスも撃破

ウルトラシリーズ作品において、ウルトラマンでは歯が立たない事態に直面した時、頼れるのは科学者です。彼らは登場回数こそ多くありませんが、実は恐ろしいほどの科学力を持った個性派揃い! 各ウルトラ作品のキーパーソンとなった科学者たちを紹介します。

ウルトラマンでは勝てない時の「切り札」に

『ウルトラマン』の岩本博士の発明でもっとも有名なジェットビートル。画像は「ハセガワ ジェットビートル w/ ハイドロジェネードサブロケット」(ハセガワ)
『ウルトラマン』の岩本博士の発明でもっとも有名なジェットビートル。画像は「ハセガワ ジェットビートル w/ ハイドロジェネードサブロケット」(ハセガワ)

 特撮作品では、レギュラーメンバーだけでは倒せない強敵が登場した場合に、外部の科学力を借りて解決するという展開は定番です。しかし、そのときに登場する科学者たちは脇役ながらも、とんでもない科学力を持っているのです。今回は、ウルトラシリーズに登場した個性豊かな科学者たちに焦点を当てます。

『ウルトラマン』では防衛チーム・科学特捜隊の協力者として「岩本博士」が登場します。有名な科学特捜隊の戦闘機「ジェットビートル」も岩本博士が開発したものです。さらに、宇宙空間でジェットビートルの使用を可能にする「ハイドロ・ジェネレート・サブロケット・エンジン」や、フェニックス号などの高性能な宇宙船も開発するなど、さまざまな分野に精通した科学者でした。

 なかでも偉大な発明品が、1兆度の火の玉を放つ宇宙恐竜ゼットンを倒した「無重力弾(通称・ペンシル爆弾)」です。最終話のみに登場するゲストアイテムであり、ウルトラマンを倒した最強の怪獣であるゼットンは岩本博士が開発した手のひらサイズの爆弾によって撃破されることになりました。

 ちなみに岩本博士を演じた平田昭彦さんは、1954年の名作『ゴジラ』では天才学者・芹沢博士を演じており、こちらではゴジラを倒したオキシジェン・デストロイヤーを開発しています。その他にも『大怪獣バラン』ではバランを特殊爆薬で倒した藤村博士を演じるなど、怪獣を倒す科学者を演じさせたら右に出る者はいないと言われる存在です。

『ウルトラマンA』で兵器開発を担当していたのは、科学班の梶洋一主任でした。同作には怪獣より強い「超獣」が登場するため、それに対抗する科学力もシリーズでは群を抜いていると見られています。

 梶主任は防衛チーム・TACの戦力を倍増させると言われた「超獣攻撃用ミサイルV7」や、ウルトラマンエースのメタリウム光線が通用しなかった超獣ファイヤーモンスを木っ端微塵にした兵器「シルバーシャーク」などを開発。さらに、地球に接近した妖星ゴランを撃破するため「惑星破壊ミサイル・マリア」を開発し地球のピンチを救う、宿敵ヤプールがいる異次元空間に入れる「異次元突入装置」を発明するなど、ウルトラマンエースとTACを強力にサポートしています。

 また、ウルトラマンが登場しない作品では、科学者が事件解決の要になります。ウルトラシリーズの第一作である『ウルトラQ』にはヒーローは登場せず、万城目淳・戸川一平・江戸川由利子のトリオが主人公となり事件を解決していきます。さらに、アドバイザー的ポジションで登場するのが「一の谷博士」です。白髪頭に立派な口髭と丸メガネという、いかにも博士っぽい風貌が特徴的な人物ですが、ウルトラシリーズのなかでも「最強の博士」との呼び声も高い優秀な科学者でした。

 例えば、群馬の山奥に落ちた隕石の正体を見抜き、モルフォ蝶の毒を解毒する「熱原始線X砲」を開発したり、分離した精神を肉体に戻す「超短波ジアテルミー」を発明したりと、とにかく頼れる存在として活躍しています。

 昭和時代のマンガや特撮作品には、一の谷博士のように専門分野を持たないオールマイティな活躍をする「博士」が多く登場しています。ヒーローばかりに頼らず、人類が自らの手で未知の脅威に立ち向かうにはやはり科学の力が必要。そんな時に登場する科学者こそ、本当の主役(?)なのかもしれません。

(椎名治仁)

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