『鬼滅の刃』善逸の多面性に「ドキリ」とするエピソード5選 叫んでばかりじゃない!
善逸が「大人の顔」に変わるエピソード
●覚醒と悲しい別れ
最終決戦を前に行われた「柱稽古」の最中、善逸は、自分の育手である元鳴柱・桑島慈悟郎(くわじま・じごろう)が、兄弟子の獪岳(かいがく)が鬼になったことの責任を取って切腹し、亡くなったことを知ります。ここから善逸の顔つきが変わります。心配する炭治郎に「お前は本当にいい奴だよな ありがとう だけど」「これは絶対に俺がやらなきゃ駄目なんだ」と告げる善逸は、大人の男の顔になっているのです。
獪岳との戦いで善逸は、「適当な穴埋めで上弦の下っぱに入れたのが随分嬉しいようだな」「おせーんだよ クズ」と、それまでの善逸からは考えられない人を突き放した冷たい言葉を発します。しかし、それはやはり善逸のほんの一面でしかなく、獪岳の頸を斬った後の善逸は悲しみを帯びた目をして、「これは俺の型だよ 俺が考えた俺だけの型 この技で いつかアンタと肩を並べて戦いたかった……」と、つぶやくのでした。
すぐれた聴覚を利用して、もっとうまく立ち回れるはずだし、お金ももうけられそうなのに、それをせず、自分の感情に従って生きる善逸。バカになりきれない、利口にもなりきれない、そして、冷たくなりきれない……。人に寄り添い、人のために戦う善逸は、中途半端なところが人間らしく、愛おしいのです……。
「遊郭編」の今後の放送では、初めてのかまぼこ隊の共闘や、そのなかでの善逸の成長が見られるのも楽しみですね。
※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記
(山田晃子)