『ガンダム』に登場する魅力的なイケおじ5選。ぶれない心と愛情が胸をうつ!
アムロをして「勝ちたい」と思わせた、青い巨星おじさん

●裏表がないイケおじ「ドズル・ザビ」
ザビ家三男の「ドズル」。彼は兄と妹のように腹に一物あるような人物ではなく、直情的で情熱家、義侠心をもった無骨な軍人タイプ。厳しくもありますが、部下や同志、家族への思いやりは深い人物です。
戦いへの臨み方はとても武人然としています。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ルウム戦役でのジオン軍快勝を前に、落ち行く敵方のサラミスに黙祷を捧げ敬意を示します。
また、最期となる一年戦争のソロモン防衛戦。援軍も来ず敗色濃厚となった際には、部下らの戦いを労ったあと、ソロモンの放棄と撤退を命令します。しかし自身はモビルアーマー「ビグ・ザム」をひとりで操縦して戦い、意地を見せました。
その一方で、ドズルは家族にはデレデレ。「ドズル・ザビの子を産んではくれまいか?」とプロポーズし夫婦となった妻「ゼナ・ミア」には膝枕を要求したり、生まれたばかりのミネバに対しても良きパパの笑顔で抱え上げたりと、わずかな時間でしたが子煩悩なパパでした。
公と家庭では表情は違うものの、根本的には愛の深いイケおじです。
●生き様そのものがイケおじ「ランバ・ラル」
ザビ家の政敵だった「ジンバ・ラル」の息子「ランバ・ラル」。ザビ家に対しては快く思っていないものの、ドズル・サビや「ジオン・ズム・ダイクン」には忠誠心を見せる、気品が高く義に篤い軍人です。頭髪も口ひげもたっぷりある渋いおじさんです。また、結婚はしていませんが恋人の「クラウレ・ハモン」とは二人三脚でいくつもの難局を乗り越えました。
ランバは自分を「仕事屋」といい、地球での作戦参加を「部下やハモンにいい生活をさせてやりたいから」と語る、上司にしたい人物です。
アムロとの係わりではグフ対ガンダムの初戦、そして2戦目で圧倒的勝利をおさめます。その後、すったもんだでホワイトベースを脱走したアムロと砂漠のレストランで出会います。
そこでランバはアムロの目と度胸を気に入り、連邦軍兵士と勘づきながらも見逃しました。3戦目でランバは敗北してしまいますが、アムロに対し「自分の力で勝ったのではないぞ! そのモビルスーツの性能のおかげだということを忘れるな!」と忠告。これにアムロは「あの人に勝ちたい!」と決意させました。
その最期も、忠義と軍人を全うしたものでした。グフを失ったランバは、部下とともに生身でホワイトベースに乗り込み破壊を試みます。艦内でダイクンの遺児でかつて面倒を見ていた「セイラ・マス」と出会うと、銃の発砲を躊躇。作戦が失敗と悟ると「兵士のさだめがどういうものか、戦いに敗れるとはこういうことだ!!」と、アムロの目の前で潔く自決しました。
戦争とは、軍人とは、男の生き様とは……といったことをアムロに刻みつけ、大きな影響を与えたのがランバ・ラルという男でした。
(南城与右衛門)