謎の新習慣「クリスマスにはシャケを食え!」とは 影響は特撮界から「農水省」にも…?
放送後、その影響はあらゆるジャンルに波及
こういったカオス回が人気になることは珍しくありません。しかし、その後の展開は誰もが予想できないほど大きなものになったのです。
放送がクリスマスイブ前日だったこともあり、特撮ファンのなかには本当にクリスマス当日はチキンでなくサケを食べる人が何人かいました。そして、Twitter上ではサケの画像がいくつか並んでいたことを今でも覚えています。
そして翌年の2019年。クリスマス時期に大手スーパーのイオングループが「メリクリサーモン」という、文字通り「クリスマスにはシャケを食え!」のキャンペーンを全店で実行しました。ちなみにイオンは、それ以前にも土用の丑の日のウナギの代わりに、鮭ハラスのかば焼きを提案していたので、単にサーモン推しのグループで本作を知らなかった可能性はあります。
一方、古巣のニチアサはというと、クリスマス時期の12月22日放送分の『仮面ライダーゼロワン』第16話ではシャケを食べたがる子供が登場。『騎士竜戦隊リュウソウジャー』第39話ではクリスマスツリーにシャケの切り身が飾りつけられるというサプライズがありました。
さらに昨年2020年。CSテレ朝チャンネルが「スーパー戦隊クリスマス大鮭戦」という特番を実施、サモーンをナビゲーターに起用するという前代未聞の展開を迎えました。そして、『魔進戦隊キラメイジャー』エピソード35(12月20日放送分)でも、サケ一尾を射水為朝(いみず ためとも)が抱えているという形で、戦隊での登場記録を伸ばしています。
しかも、この年の12月25日のクリスマスには、農林水産省の公式Twitterが「#サーモンでクリス鱒」なるハッシュタグでサケとマスをプッシュするということまでありました。ここまで来ると、日本のクリスマスはサケという新常識が定着したような錯覚をおぼえます。
そして今年2021年。いつもより早い時期ですが、12月5日放送の『機界戦隊ゼンカイジャー』38カイ!で、クリスマスツリーの飾りでサンタ帽をかぶったサケが既に登場していました。今年も準備万端のようです。続く12月12日放送の39カイ!では、OP後のスポンサー提供テロップ横の煽り文が「クリスマスにはおせちを食え!」となっており、カウントダウンされているかのようでした。
ちなみにクリスマスにチキンというのは、ガチョウや七面鳥が一般的でない日本独特の風習だと聞いたことがあります。そう考えると、日本人らしい別の食材にすることもあながち間違いではないかもしれません。
はたして今年のクリスマスは何が起こるのか? 期待してサーモンの用意をしながらクリスマスを迎えましょう。
(加々美利治)