明らかに映画が元ネタ?な『ジョジョ』の名場面4選 宇宙に放出、体にラクガキ…
『ジョジョの奇妙な冒険』の作者・荒木飛呂彦先生は映画好きであることを公言しており、作中にも映画が元ネタと思われる描写が多数存在します。今回はそのなかでも印象的な場面を4つ紹介します。
宇宙に放り出されたカーズ様の元ネタは?

2011年に独自の評論本「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」を発表するなど、映画好きであることをたびたび公言している荒木飛呂彦先生は、代表作『ジョジョの奇妙な冒険』にも数多くの映画ネタを登場させています。有名な例だと、第5部「黄金の風」には随所に『ゴッドファーザー』を思わせる要素(とくに最終エピソード「眠れる奴隷」の冒頭など)が盛り込まれていました。今回はそんな『ジョジョ』のなかでも、特に印象的な映画元ネタと思われる場面を紹介します。
●『エイリアン2』……第2部「シュトロハイムの胴体が真っ二つ、カーズが宇宙に放出……」
『ジョジョ』第2部の人気キャラ、ナチス軍人のシュトロハイムは、サンタナとの戦いで一度死んだと思われるものの、自身を最新鋭の機械の体に改造し復活します。そして、「エイジャの赤石」を奪いに来た柱の男・カーズと対戦しますが、カーズの「光・流法(モード)」の高速回転する刃で胴体を真っ二つにされてしまいました。
この場面は、1986年公開の大ヒット映画『エイリアン2』のクライマックスでアンドロイドのビショップ(シュトロハイムも半分人造人間)がエイリアンクイーンの攻撃で体を両断されてしまったシーンのオマージュと思われます。ちなみに第1部のツェペリさんが体を切断されてしまう場面も『エイリアン2』に影響を受けていると考えられます。
そして、カーズが噴火によって宇宙空間まで飛ばされてしまう有名なシーンも、『エイリアン2』のクイーンの倒し方に似ているといえそうです。
●『吸血鬼ドラキュラ』……第3部「ポルナレフvsヴァニラアイス戦の決着」
第3部の終盤、エジプトのDIOの館までたどり着いた主人公一行は、DIOの側近で自身も吸血鬼化したスタンド使い・ヴァニラアイスと対戦します。
何もない空間から現れ、敵を異空間に飲み込むスタンド「クリーム」にてこずり、アヴドゥル、イギーが殺されてしまいますが、ポルナレフは決死の作戦でついにヴァニラアイスに重傷を負わせます。ヴァニラアイスが吸血鬼になっていることを見抜いたポルナレフは、屋敷のドアを破壊し、窓から指す太陽光で彼を灰にして葬り去りました。
この場面は、かつて存在したイギリスのホラー映画の名門会社ハマー・フィルムの代表作『吸血鬼ドラキュラ』(1958年)のクライマックスシーンへのオマージュと思われます。
ドラキュラと対峙したヘルシング教授が屋敷のカーテンを取り払い、窓から指す光へと追い詰めて灰にして殺す場面とそっくりです。ちなみに最初にドラキュラ城を訪れる司書の青年の名はジョナサンであり、ブラム・ストーカーの原作小説『ドラキュラ』自体が、最初は吸血鬼ホラーとして始まった『ジョジョ』に大きな影響を与えているのではないでしょうか。