『鬼滅の刃』キツすぎる修行シーン4つ 序盤から鬼畜な過酷さ
『鬼滅の刃』の鬼殺隊士たちは激しい戦いに備えて、稽古をします。その稽古の厳しさは、普通の人間なら逃げ出すレベルです。鬼と戦うためには仕方ないのですが、「さすがにキツすぎない?」と思うようなシーンをセレクトしました。
鬼との戦いよりツラいかもしれない、鬼殺隊の稽古!
『鬼滅の刃』は、人を喰う鬼と戦う物語です。鬼は太陽に弱く、日光を浴びれば絶命してしまいます。太陽に当てるほかに倒す方法は、頸を斬り落とすこと。しかし、斬ってもすぐに回復してしまったり、特殊な能力を持っていたりする厄介な敵です。
そんな鬼と戦うために、鬼殺隊士たちは厳しい訓練を行います。炭治郎をはじめとする鬼殺隊士たちの訓練は、岩を斬ったり、ヒョウタンを割ったり……改めて注目してみると、序盤からかなり過酷な訓練を強いられています。
実戦よりも厳しいかもしれない、特に「キツすぎる」と思われる修行シーンを4つ選んでご紹介します。
※この記事では、まだアニメ化されていないシーンの記載があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。
●殺す気まんまん、鱗滝さんの試練
作品冒頭では、炭治郎はただの少年でした。水柱・冨岡義勇の導きで、鱗滝左近次のもとで鬼殺隊に入隊するための訓練を受けます。その訓練は、石が飛んできたり、落とし穴があったりする山を降りるというもの。慣れるに従って刃物も罠に加わります。
さらに炭治郎は受け身と呼吸法を教わると、「もう教えることはない」と鱗滝から告げられました。
「この岩を斬れたら “最終選別”に行くのを許可する」
その岩は、炭治郎や鱗滝の身長より高く、子供が上に乗れるほどの大きさです。とても刀で斬れるサイズには見えません。そのうえ、鱗滝は何も教えてくれなくなります。炭治郎は半年かけて岩を斬れるようになりましたが、錆兎と真菰の存在があったから成し遂げられたようなものです。
のちに、鱗滝が厳しい試練を与えた理由が「最終選別で死なせたくない」という想いによるものと分かるのですが、炭治郎は「俺を殺す気満々だ」と日記に書いています。炭治郎は早々に、修行による命の危険にさらされていました。
●呼吸でヒョウタンを割る
那田蜘蛛山での激闘で、炭治郎、善逸、伊之助の3人は負傷します。ケガを治しながら、蝶屋敷で機能回復訓練に励みました。
訓練のなかで、「全集中の呼吸・常中」を身につけるため、炭治郎は蝶屋敷の3人娘から助言を受けます。訓練として栗花落カナヲがヒョウタンを吹いていた、と聞いて炭治郎は尋ねました。
「おもしろい訓練だねえ 音が鳴ったりするのかな?」
のんきな炭治郎は、3人娘のひとり・寺内きよの答えに驚くことになります。
「いいえ 吹いて瓢箪を破裂させてました」
ヒョウタンは木材と同じくらいの硬さでしょうか。それを破裂させたと聞いて炭治郎は絶句します。しかも、カナヲは炭治郎の前にある小さなヒョウタンだけでなく、今は3人娘たちが抱えるほどの大きさも破っていました。しかも、特殊なヒョウタンで普通のヒョウタンより硬いといいます。白目になる炭治郎でしたが、「頑張ろ!!」と前向きに切り替えました。
最終的には呼吸法を高め、ヒョウタンを割れるまでになった炭治郎。それを見た善逸と伊之助も奮起し、炭治郎に追いつきます。本編ではコミカルに描かれた修行エピソードでしたが、「かまぼこ隊」の戦力は一気に増強され、無限列車での戦いにつながります。
無限列車の戦いのあと、「遊郭編」でも蝶屋敷での修行シーンがアニメオリジナルで描かれました。腕立て伏せや走り込みなど、「常識の範囲」の訓練だったようです。しかしさらにこのあと、常識を超えた修行が炭治郎を待ち受けています。
●刀鍛冶の里で再び命の危機
遊郭で上弦の陸と戦った炭治郎は、刀を刃こぼれさせたことから鋼鐵塚の怒りを買います。鋼鐵塚に会うために刀鍛冶の里へ向かった炭治郎は、「縁壱零式」というからくりと訓練を行うことになります。
「縁壱零式」は、見ためは成人男性の姿をした人形ですが、腕が6本あります。「縁壱零式」を代々伝えてきた家の少年・小鉄は、炭治郎にその理由をこう説明します。
「あの人形の原型となったのは実在した剣士だったらしいんですけど 腕を6本にしなければその剣士の動きを再現できなかったからだそうです」
しかし、時透無一郎が先に訓練に使ったことによって人形の腕は1本壊れてしまいます。炭治郎は残り5本の腕を持った「縁壱零式」と小鉄の協力のもと、訓練を始めました。それは、炭治郎が再び死にかけるほどのほどのキツさだったのです。
そのつらさは、ナレーションで次のように説明されました。
「分析力高めの小鉄さん しかし剣術の教え手としてはド素人 どのくらいが人間の命の限界かご存じないため訓練がエグかった 言われた通りできなければ水も食料も与えないという暴挙 水を飲まなければ人間は三日程で真面目に死ぬ 無知故の純粋なる暴挙!!」
この訓練には、睡眠時間もほぼありません。炭治郎は降ってきた雨で命をつなぎ、7日間の訓練に耐え抜きました。もし雨が降らなかったら……そう考えると身震いしてしまいます。
●鬼殺隊最凶の修行パート「柱稽古」
禰豆子が太陽を受けても大丈夫な体質に変化したせいか、鬼の出没がなくなりました。鬼が来ない間、鬼殺隊は「柱稽古」という特別訓練を行います。
隊員は柱たちから訓練を受けることになります。ナレーションでは、このように説明されています。
「柱稽古 まずは宇髄によるしごき 基礎体力向上から始まり 甘露寺蜜璃による地獄の柔軟 時透無一郎による高速移動の稽古 蛇柱による太刀筋矯正 風柱による無限打ち込み稽古 岩柱による筋肉強化訓練」
前半は、キツいけれどこれもまた常識の範囲内の訓練です。しかし、蛇柱から難易度が跳ね上がります。何しろ、壁や床にくくりつけられた隊員たちを避けながら木刀を振るうのです。炭治郎も涙ぐみながら稽古をしていました。
次の風柱の稽古では、嘔吐するまで戦い続けます。「無限打ち込み稽古」と言われた理由が分かります。そして最後、岩柱からの稽古はまず滝行からスタート。続いて、大人のウエストより太そうな丸太を担ぎ、身長より高い大岩を1町(約110m)先まで運びます。普通の隊員では、10日かかってやっと滝行が終わるといいます。
これだけの訓練を経たからこそ、無惨に勝てたのかもしれません。
こんな苦しい訓練を行う理由は、人間が弱いからでしょう。炭治郎も、煉獄さんを殺した猗窩座に向かって人間の弱さを叫びました。
「いつだって鬼殺隊はお前らに有利な夜の闇の中で戦ってるんだ!! 生身の人間がだ!! 傷だって簡単には塞がらない!! 失った手足が戻ることもない!!」
その言葉通り、鬼と比べて人間ははるかに劣ります。常識離れした鬼殺隊での稽古は、人間ゆえの弱さを補うためなのでしょう。「パワハラ会議」でおなじみの無惨様も、鬼殺隊の実情を知ったら「異常者だ」とドン引きしてしまうかもしれません……。
※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
(マグミクス編集部)