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『機動戦士ガンダム』40話 アムロとララァの戦闘からシャアは弾き出され…

「大佐! 邪魔です!」

 後方の状況が深刻さを増していたころ、シャア・アズナブルの乗艦ザンジバルはマゼラン1隻、サラミス3隻で構成された連邦軍の小艦隊を発見、交戦に入ろうとしていました。シャアはララァのエルメスと2機のリック・ドムを先行させ、自身はザンジバルの「Jミサイル」でマゼランとサラミスを1隻ずつ撃沈、後に専用のゲルググで後を追います。

 ララァは首尾よくサラミスを1隻撃沈しますが、ニュータイプの戦闘力を見た護衛のリック・ドムは真面目に戦うのがばかばかしくなってしまい、エルメスの背後に隠れてしまいます。残るサラミスからの攻撃の的となり、集中力を乱したララァはビットのコントロールに不調をきたしましたが、増援に現れたシャアの姿に勇気づけられサラミスの撃沈に成功したのです。

 両陣営ともに最終決戦に向けての準備が着々と進むなか、連邦軍本隊がジオン軍の艦隊と遭遇、アムロはガンダムで出撃します。そこに聞こえてきた「ラ…ラ…」の声に呼ばれていると感じたアムロは、シャアともうひとつの存在(ララァ)に気づき、シャアを狙撃しますが、エルメスのビットにより阻まれます。

 激しい砲火を交わすアムロとシャア。しかしララァは、すでに両者の間に存在する大きな力の差を感じ取っていました。ララァは「大佐! どいてください! 邪魔です!」と叫び戦いに介入しますが、シャアはなおも攻撃を続け、逆に左腕を破壊されてしまいます。

 シャアにとどめを刺そうとするアムロ。シャアを守るために戦うララァ。ふたりのニュータイプは互いに感応しながらも戦う手を緩めようとはしません。ビットを撃墜し続けるアムロの脳裏に、「シャアをいじめる悪い人だ!」という女性の声が響きます。ここまでアムロを苦しめていたシャアが、すでにライバルどころか誰かに守られてかろうじて生きながらえるだけの存在だと明白となったのです。

 このとき、シャアはララァとともに辛うじて脱出に成功します。そして物語は、後戻りできない悲劇へと、突き進んでいくのです。

(早川清一朗)

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