【漫画】ストレスで限界の母、子供を連れ去られる? 怖そうな隣人の不器用な優しさ
結婚を機に憧れの京町家で暮らし始めた星田つまみさん。しかし長男を出産後、1日家で育児をする生活になると、生活音に気を使う日々に、孤独とストレスで疲れていきました。そんななか、始めて参加した町内行事で驚きの出来事が……!
町内行事で年配女性に「子供を借りる」と言われ? 恐怖の出来事の結末は
結婚を機に憧れの京町家(京都の古い木造住宅)で暮らし始めた星田つまみさん(@Ririshiku_Uruou)。しかし長男を出産後、1日家で育児をする生活になると、すき間なく建つ町家の一角で生活音に気を使う日々に、孤独とストレスで疲れていきました。そんななか、始めて参加した町内行事で驚きの出来事が……!
星田つまみさんの8年前の体験をもとにしたマンガ『隣人に生後一ヶ月半の息子を拉致された話』がTwitterおよびInstagramで公開されました。生活環境の変化、初めての育児、周囲との人間関係など、さまざまな悩みがリアルに表現されています。
読者からは「ハラハラした」「自分のことのように焦った」「世代によっていろいろな考えの人がいますよね」「おばあちゃんの不器用な優しさが素敵」「いい人たちでよかった」「産後ってひとりで頑張りすぎちゃいますよね」「母親も子供と一緒に成長するんだなと思った」などの声があがりました。
作者の星田つまみさんに、お話を聞きました。
ーー『隣人に生後一ヶ月半の息子を拉致された話』は8年前の実際の出来事をもとにしたお話とのことですが、今回マンガに描こうと思ったきっかけを教えて下さい。
子育てエッセイマンガを描いていくなかで、いつか描こうと思っていたエピソードでした。子育て環境(家族の協力体制、住まいや町内の状況、そして近隣住民のスタンスなど)の大切さを真剣に考えないまま育児を始めたことの軽率さを反省経験として描き残そうと思いました。
ーー慣れない土地での初めての育児やご近所付き合いの難しさなどで、精神的に不安定になるお気持ちがリアルに想像できました。当時のお気持ちを改めてお聞かせ下さい。
普段から内向的な人間で、できるだけ「周りに迷惑をかけたくない」と抱え込んでしまいがちな自分が、初めての育児でもその性格を大いに発揮してしまい、自分から外に出て打ち解けに行くことはなかったなかでの、町内の地蔵盆でした。
息子を連れ去られた恐怖や不安が「大ごとにしたくない」という気持ちと拮抗して、なかなか動けなくなってしまい……ふがいない母親だったな……と今でも思い出すたびに後悔と反省に苛まれます。
ーー最後の「子供のためには苦手な物事にも足を踏み出す努力が親には求められる」という言葉が心に響きました。この出来事で、ご自身の考え方や行動に変化はありましたか?
今でも、できるだけ「周りに迷惑をかけたくない」という気持ちで、息子たちがそういう行動(迷惑行為)をすると、きつく叱ったり力ずくで止めたりしますが、周囲の方々は大抵「そんなの大丈夫よ」「もっと自由にさせてあげな」と許容してくれることが多いです。
少しくらいは「子供の自由」に対する周囲の寛容さに甘えてみてもいいのかな、と思うようになりましたが、それでもなかなか周囲の顔色をうかがった育児から抜け出せずにいることも事実です。もう少し気軽に周囲を頼ったり甘えたりできる人間になりたいですね。
ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。
私の行動や野崎さんの行動に対して批判的なコメントもありましたが、どっちも悪くない、どっちの気持ちも分かる、と共感して下さる方が多く、当時のうつ間近だった私を慰めてくれる言葉も多くいただけて、うれしかったです。
特に「子育てに対して否定的な人がいるのも事実なのでネガティブになることもあるあるななかで、好意的な人の存在にちゃんと気付くことができてよかったですね」という意味合いのコメントが心にしみました。当時の経験がすごく意味のあるものだったのだなと再確認できたし、この話を描いてよかったなという気持ちになれました。とてもありがたいです。
ーーTwitterやInstagramで精力的にマンガを公開なさっています。創作するうえでの原動力になるものはありますか?
やっぱり、コメントやDMでいい反響があると「描いてよかった、また描こう」という原動力になりますが、それと同じくらい、過去に描いた自分のマンガを自分で読み返した時に、「あぁこういうことがあったな、忘れてた、描きとめておいてよかったな」となることが多いので、そういう自分の忘れっぽさも原動力になってます。
●星田つまみさん 前回のインタビュー
卒園式後に懇親会「うちだけ誘われてない?」悶々とするママの実話にハラハラ
●星田つまみさんTwitter
https://twitter.com/Ririshiku_Uruou
(マグミクス編集部)