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もし猫が雪ではしゃぐ性格だったら、一緒に外で遊んでくれる? 想像し「二度とやらない」

漫画家の迷子さんによる描き下ろしエッセイ『妄想猫観察』連載第52回。雪の日の猫はなんだか小さく見えます。もし、雪ではしゃぐ性格だったら、一緒に外で楽しんでくれるのでしょうか。KADOKAWAより書籍が発売中!

雪の日、猫はきゅっと小さめにまとまっている

雪の日の猫は小さく見える
雪の日の猫は小さく見える

 雪の日の猫は小さい。

 雪が割と降る地域だ。灰色の空からこぶし大はあるのでは? と疑わしき大きさの雪がぼんぼこ降ってきているような日(ひどい時の降雪オノマトペはシンシンなんて大人しい物ではなく、ぼんぼこな気がしている)は、猫がいつもより心なしか小さい気がする。家のなかはもちろん暖かいのだが、それでも何か感じる物があるのだろうか。なお昔、散歩中晴れた日に積もった雪の上にそっと猫を下ろしてみたことがある。物も言わずその場でうつむき座り込んでしまったので、二度とやらないと心に決めている。野生に向いていない。

 雨の日の猫は水のようにしっとりとしているが、雪の日にはきゅっと小さめにまとまっているのが猫世界の常識なのかもしれない。そういえばゆきやこんこの歌詞でも、猫はコタツで丸くまとまっていた。

 ゆきやこんこで有名な「犬は喜び庭駆け回り、猫は炬燵で丸くなる」の歌詞は二番だ。あんまり話題に上らない一番では、山や野原がどんどん雪に埋もれていく様子が歌われている。昔からちょっと疑問だったのだが、人の様子はまったく歌われていない。家が潰されないよう必死なときに「みんな一生懸命雪掻きしてるよ! 愉快だね!」なんて歌われた日には、手押しの除雪機でぐるりと周りを取り囲みたくなってしまうだろうから仕方ないのかもしれない。

 足元をうろうろしてくれる犬と家でぬくぬく待っていてくれる猫の幻影を心の頼りに、ダンプでせっせと雪を片付ける。春はすぐそこであると願うばかりである。

(迷子)

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