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声優・田中真弓の存在感は至宝の領域 「中尾隆聖が来たら殺される!」エピソードとは

1月15日は、『ドラゴンボール』のクリリンなどでおなじみの声優・田中真弓さんの誕生日です。1981年放送の『ダッシュ勝平』で初の主役となる坂本勝平役を演じて以降、数々の印象的な役を演じている田中さんは、今も『ワンピース』のモンキー・D・ルフィ役を演じており、40年以上もの間、主役を張り続けている実力の持ち主です。

大人も子供も田中さんの声を聴いて育った

2020年にWebアニメとして復活『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸』戦部ワタル役 (C)サンライズ・R
2020年にWebアニメとして復活『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸』戦部ワタル役 (C)サンライズ・R

 1月15日は女優/声優として活躍する田中真弓さんの誕生日です。おめでとうございます! 1978年放送のTVアニメ『激走!ルーベンカイザー』高木涼子役で声優デビューを果たした田中さんは、1981年の『ダッシュ勝平』主人公の坂本勝平を担当。初の主役をつかみ取ります。その後も1989年には『魔神英雄伝ワタル』の戦部ワタルや『南国少年パプワくん』のパプワくん、『とっても!ラッキーマン』のラッキーマン/追手内洋一など、数多くの主役を演じています。

 また、主役の脇を固める重要なポジションの役を演じることも多く、『うる星やつら』の藤波竜之介や『ドラゴンボール』のクリリン、1988年版『おそ松くん』のチビ太、『幽☆遊☆白書』のコエンマ、2018年版『ゲゲゲの鬼太郎』の砂かけばばあなど、書き出していけば本当にキリがありません。

ここ25年ほどの間に声優を取り巻く環境は劇的に変化しました。 若い方が声優を目指し怒涛のように押し寄せ、厳しさを増す一方の声優の世界で、実力と実績を武器に40年以上もの間、主役を演じ続けている田中さんの存在感はすでに至宝の領域に達していると言っても過言ではないでしょう。

 特に、田中さんの代表的な役である『ワンピース』のモンキー・D・ルフィに至っては、1999年の放送開始以来、すでに25年近く演じ続けている計算になります。明るく元気で力強く、どんな窮地にあっても絶対にくじけない少年を演じることだけでも並大抵のことではありません。演じ始めた当初のエネルギーを維持するどころかますます力強く円熟味を増す田中さんの声を聴きながら育った世代は、もう30代に突入しています。これから生まれてくる子供たちも、きっと田中さんの声を聴きながら育っていくのでしょう。

 田中さんは、1983年から1989年にかけてNHK教育で放送された『おーい! はに丸』のはに丸役も演じています。『ワンピース』世代よりも一回り上の方にとっては、こちらの方が印象深いかもしれません。埴輪の王子「はに丸」とお供の馬の「ひんべえ」の「はにゃー」「ふにゃー」というコミカルなやり取りを覚えている方も多いのではないでしょうか。

 2014年から2017年にかけて放送された、はに丸がジャーナリストとなって突撃取材を行う『はに丸ジャーナル』でも田中さんが続投しており、やはり懐かしい声とやりとりを聞かせてくれました。ここ数年は放送されてはいませんが、また復活して欲しいものです。

舞台俳優としても活躍

 主役以外での田中さんの代表的な役と言えば、『ドラゴンボール』シリーズのクリリンを挙げる方も多いでしょう。主人公・孫悟空の親友で、ナッパ・ベジータ・フリーザなど数多くの強敵との戦いを潜り抜けた地球人最強の戦士として非常に強い印象を残しています。しかしストーリー展開が変化するタイミングで殺されることも多く、アニメオリジナルの『ドラゴンボールGT』も含めると都合4回殺害されています。しかも『無印』のときの殺害犯であるタンバリンと、『Z』のフリーザの声優は同じ中尾隆聖さんが担当しており、ほかの番組で中尾さんと共演した際には「中尾さんが来たら殺される!」と言って逃げ出すこともあるそうです。

 ゲームでは『サクラ大戦』の桐島カンナ役が代表役として挙げられるでしょう。肉体的にも精神的にも男らしく豪快な姉御肌。役者として舞台にも立ちながら帝国華撃団のムードメーカーとしてなくてはならない存在とされているあたり、まるで本物の田中さんのようです。舞台『サクラ大戦歌謡ショウ』でも当然カンナ役で出演しており、「性格が近く、やりやすかった」と語っています。

 声優だけではなく女優としても活躍している田中さんは、演劇でも熱心に活動しており、現在は劇団『おっ、ぺれった』を主宰しています。吹き替え、ナレーションなども精力的に行い、連続テレビ小説『なつぞら』にも出演するなど顔出しの仕事でもしばしば拝見することがあります。

 もう40年以上田中さんの声で育ってきた筆者にとって、田中さんの声はずっと傍らにあったものでした。これからもずっとあり続けて欲しい。そう思っている方は、間違いなく筆者だけではないでしょう。これからのご活躍もお祈り申し上げます。

(早川清一朗)

 

【画像】大人も子供も知ってる! 田中真弓の演じるキャラ

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