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『鬼滅の刃』初登場からインパクトを残したキャラ 最初のセリフを覚えていますか?

2022年に入ってもまだまだ人気の火は燃え続けている『鬼滅の刃』。皆さんは、それぞれのキャラクターの初登場シーンを覚えていますか? この記事では、初登場から読者にインパクトあるセリフを残したキャラを紹介します。

主人公らしさが光る竈門炭治郎

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 出会って3秒で決まると言われるほど重要な「第一印象」。『鬼滅の刃』の個性豊かなキャラたちも初登場時には、印象的なセリフを発するなど大きなインパクトを残しています。そこには多くの人に記憶されるキャラになるための秘訣がありました。

●1ページ目から良い人・竈門炭治郎

 まずは『鬼滅の刃』最初のページであり、主人公・竈門炭治郎の初登場シーンです。雪が降り積もる山の中、鬼に襲われて傷を負った妹・禰豆子をおぶって歩く姿から始まります。「なんでこんなことになったんだ」と絶望的な状況に混乱する炭治郎。しかしそこから発したセリフは「死ぬな」「絶対助けてやるからな」と何度も禰豆子を励ます言葉。妹への愛情とともに強い信念を持った人物である炭治郎らしさがこの1ページ目にすでに現れていました。

●最初から悪・鬼舞辻無惨

 続いては鬼の始祖である鬼舞辻無惨です。彼が姿を現すのは『鬼滅の刃』第2巻。街なかで無惨の匂いを感じた炭治郎。匂いの先を追っていくと、見えたのは子供を抱っこしながら妻と歩く無惨の後ろ姿。炭治郎に肩をつかまれると、眉間にシワを寄せてイヤそうな顔で振り返ります。そして発した最初のひと言は「私に何か用ですか? 随分慌てていらっしゃるようですが……」。そしてこのとぼけたような反応のあとすぐに罪なき一般人を鬼に変えて逃げ出します。鬼殺隊の隊士である炭治郎と出会っても少しも動じることなく、平然と一般人を巻き込む冷徹な対応が、無惨の恐ろしさを際立たせていました。

●鬼への強い敵意・冨岡義勇

 続いては水柱・冨岡義勇です。彼の初登場シーンは鬼化しかけた禰豆子と炭治郎がもみ合いになっているなか、いきなり背中から斬りかかるところから始まります。そして「なぜかばう?」「それが妹か?」と投げかけます。禰豆子を人として見なしていません。淡々と「俺の仕事は鬼を斬ることだ」「勿論お前の妹の首も刎ねる」と言い放ちます。このシーンだけを見ると情のない冷たい人間のように見えます。しかしのちに、義勇自身も家族や仲間だった錆兎を鬼に殺されたことがある過去が明かされると、義勇自身が鬼に対して持っている強い敵意を理解できます。さらに、人とコミュニケーションを取るのが超下手であるという性格も分かってくると、このぶっきらぼうに見える態度が、不器用でかわいらしいという印象に変わってきます。初登場時と物語が進んだあとで大きくイメージが変わった人物のひとりです。

第一印象は最悪?

 冨岡義勇のように、初登場時の印象と物語が進んだあとの印象が良い意味で変わっていったのが柱の面々です。

●第一印象とのギャップが魅力の柱たち

 那田蜘蛛山で拘束された炭治郎が目覚めると、こちらを見下ろしている柱たちの姿がありました。そして禰豆子の処遇について次々と辛辣な意見を述べます。まず炎柱・煉獄杏寿郎は「裁判の必要などないだろう!」「我らのみで対処可能! 鬼もろとも斬首する!」。音柱・宇髄天元は「ならば俺が勝手に頸を斬ってやろう!」「誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ」。岩柱・悲鳴嶼行冥は「ああ……なんとみすぼらしい子供。可哀そうに」「生まれて来たこと自体が可哀そうだ」。風柱・不死川実弥に至っては「オイオイなんだか面白いことになってるなァ」と禰豆子が入っている箱を勝手に取り上げて刀を刺す始末。炭治郎にとって印象は最悪と言えます。

 しかし、このときの悪い印象があった分……「無限列車編」で先頭に立って戦う煉獄杏寿郎、妻や炭治郎たちのことを命懸けで守ろうとする宇髄天元、一度仲間と認めれば誠意をもって対応してくれる悲鳴嶼行冥、不死川実弥の不器用ながら強い血縁者への愛情……など、印象が何倍にもなって良く見える効果を発揮します。こういった登場人物たちへの印象が変わっていく過程も『鬼滅の刃』の魅力と言えます。

●背中が醸し出す哀愁・産屋敷耀哉

 続いてはお館様こと産屋敷耀哉です。初めて姿を現したのが『鬼滅の刃』第2巻。炭治郎たち合計5人が鬼殺隊の最終選抜に受かったことを鎹鴉から聞くシーンです。「そうか」「五人も生き残ったのかい 優秀だね」「また私の剣士(子供たち)が増えた……どんな剣士になるのかな」とつぶやいています。このときはまだ背中しか描かれていないのですが「五人も生き残った」「私の剣士(子供たち)」というセリフが、これまで多くの隊士たちが命を落として来た歴史と隊士たちに対する愛情を含んでいて、なかなか染み入るセリフとなっています。

●きれいすぎる死亡フラグ・サイコロステーキ先輩

 最後は「那田蜘蛛山編」においてわずか3ページで命を落としたサイコロステーキ先輩です。下弦の伍・累と戦う炭治郎の前にひょっこり現れた彼が開口一番放ったのが「お 丁度いいくらいの鬼がいるじゃねぇか」「こんなガキの鬼なら俺でも殺れるぜ」。あまりにもきれいな死亡フラグ。この1ページ目あとに累の糸によってバラバラに調理されてしまいました。ある意味初登場シーンで一番インパクトを残したキャラと言えるかもしれません。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記
※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記

(吉原あさお)