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新戦隊『ドンブラザーズ』に「ごっつええ感じ」を思い出す人が続出 凝縮した期待ポイント

発表された衝撃的なビジュアルが話題の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』について、SNSではさまざまな感想があふれています。伝説のコント番組を思い出すという声も続出していますが、そこには、新時代を切り拓く特撮作品として注目したいポイントも凝縮されています。

ドクロ怪人がツッコミを入れる姿が想像できてしまう?

レビ朝日・東映AG・東映
レビ朝日・東映AG・東映

 2021年末に情報が解禁されたスーパー戦隊シリーズ第46作『暴太郎(あばたろう)戦隊ドンブラザーズ』。放送開始は2022年3月6日からですが、現在放送中の『機界戦隊ゼンカイジャー』2022年1月9日放送分に早くも『ドンブラザーズ』のレッド・ドンモモタロウが登場し、SNSを大いに湧かせました。「まさかの同一世界線か?」と期待が高まっています。

『特命戦隊ゴーバスターズ』以来、実に10年ぶりとなる「ジャー」のつかない名称からしても、新たな戦隊作品を目指そうとする制作陣の心意気が感じられます。

 さて、特撮ファン内外の注目を集めたのは『ドンブラザーズ』の面々のビジュアルでしょう。戦隊に限らず、新ヒーローが発表されたときは得てして期待と不安が入り混じった反応が見受けられるものです。例えばロボ戦士4人に人間ひとりという、攻めに攻めた編成の『ゼンカイジャー』も発表当初は「どういうこと!?」という声が非常に多かったのは記憶に新しいところです(同作に限っては放送内容も今なお「どういうこと!?」の連続です)。

 これだけ攻めた『ゼンカイジャー』の後ということで、そうした反発の声も少なくなるかと思えば、輪をかけての「どういうこと!?」の嵐。モチーフ自体は「桃太郎」とわかりやすいものですが……改めて現段階で発表されている内容を確認していきましょう。

 ドンモモタロウ(レッド)は珍しいちょんまげ姿ですが、これはまだ序の口。オニシスター(イエロー)のツノなんかもまだ可愛い方で、サルブラザー(ブルー)は両腕が著しく発達した筋骨隆々シルエット。さらにイヌブラザー(ブラック)は全長100センチでリアル犬サイズ。極め付けはキジブラザー(ピンク)で、全長220センチという超長身でありながらすらりとしたボディ。

 頭身すら統一しない未曾有のビジュアル編成に対し、ネットでも「キジブラザーズやイヌブラザーズは変身する前は人なのか」「このビジュアルでジェットマンくらいトレンディだったら最高」「そもそもキジじゃなくて……ツルじゃない?」などの声があがりましたが、それらのなかでもっとも気になったのが「ごっつを思い出した」というコメント群。

「ごっつ」とは、フジテレビ系列で90年代に放送されていた伝説の番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」のこと。ダウンタウンのおふたり、今田耕司さん、東野幸治さん、板尾創路さん、ほんこんさんに加え、YOUさんや篠原涼子さんもレギュラー出演していました。いったい「ごっつ」と「ドンブラザーズ」に何が関係あるのか……当時観ていた方ならお分かりだと思います。そう、「世紀末戦隊ゴレンジャイ」を思い出した人が続出したのです。

新たな特撮への「挑戦」を浮き彫りに

 「世紀末戦隊ゴレンジャイ」とは、同番組での人気コントシリーズ。YOUさん演じる女性の家にドクロ仮面(浜田さん)が現れ、「ゴレンジャイ」が毎回助けにくるのですが……この「ゴレンジャイ」にまったく統一感がないというコントです。

 色がかぶったり、地味だったり、頭身がおかしかったり、ボインを高温でカラッと揚げてみたり……それにドクロ怪人(浜ちゃん)が突っ込んでいくわけですが、なるほど確かに『ドンブラザーズ』の統一感のなさは「ゴレンジャイ」を彷彿とさせます。違うのは、浜ちゃんのツッコミがないことくらいです。

 ここにこそ、時代の変化をはっきりと感じます。翼を杖で叩きながら「なんやそれお前」とキジブラザーに詰め寄る浜ちゃんを簡単に脳内再生できる人も多いと思われます。とはいえ、今は多様性を認め合う時代。少なくとも最初から「おかしい」と決めつけてはいけないのです。

 むしろこの編成でいったいどんなバトル繰り広げるのか、新たな特撮の可能性への期待が高まっているといえるでしょう。令和のスーパー戦隊では、いつ正規メンバーに「森ビル」が投入されてもおかしくない、そんな時代なのかもしれません。

(片野)

【画像】森ビルからガチャピンまで登場した伝説のコント「ゴレンジャイ」

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