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スポーツ漫画でつい共感してしまう「凡人」キャラ 伏兵的活躍や頑張れないダメさも魅力

練習もサボるお調子者だったが…

貪欲に勝利を求め続けた相撲初心者・三ツ橋蛍が表紙に描かれた『火ノ丸相撲』第6巻(集英社)
貪欲に勝利を求め続けた相撲初心者・三ツ橋蛍が表紙に描かれた『火ノ丸相撲』第6巻(集英社)

●『火ノ丸相撲』三ツ橋蛍

 体格に恵まれない主人公・火ノ丸を中心に、相撲にすべてをかける男たちの熱いドラマが描かれた『火ノ丸相撲』。そのなかでも、最弱の体にして最強の「心」で読者を震わせたのが、火ノ丸にあこがれて高校から相撲を始めた初心者・三ツ橋蛍です。身長162センチで体重は50キロ程度と、あまりにも相撲向きではない体格ながら、とにかく勝ってチームに貢献したいと、手段も択ばず涙ぐましい努力を続けました。

 練習以上に彼にとって過酷だったのは、相撲の世界では嫌われがちな「変化」を使って戦っていたことでしょう。全国大会準決勝の鳥取白楼高校戦では、いきなり敵の首藤に背を向け挑発し、「猫だまし」からの「八艘飛び」で意表をついて相手を土俵外に連れ出しますが、結局は物言いからの再試合で敗北。しかし、彼の不屈の精神を見て、仲間たちはさらなる奮起を見せるのです。ある意味どんな勝利よりも熱い「敗北」でした。

●『ROOKIES』濱中太陽

 ここまで紹介したキャラは才能には恵まれずとも努力を怠らない人物でしたが、なかには努力もできない者もいます。不良たちが甲子園を目指すスポコンマンガ『ROOKIES』で、途中から新1年として登場する濱中太陽は、安仁屋たちにあこがれて野球部に入部してきました。しかし、お調子者で頑張ることが嫌いな性格をなかなか変えられず、先輩たちには練習はしていると嘘をつき、タバコを吹かす毎日。

 さらに予選の笹崎高校戦では、安易な形で「男を見せよう」と観客席に向かって唾を吐くという愚行を犯し、温厚な御子柴から殴られるなど醜態をさらします。しかし、彼も根はいい奴で、笹崎戦終盤では簡単なフライすら取れないながらも必死にもがいて、観客から応援される場面もありました。決して劇的な成長を遂げるわけではありませんが、その後も少~しずつ変わっていく味わい深いキャラです。

●『あしたのジョー』マンモス西

 ボクシングマンガの金字塔『あしたのジョー』のマンモス西こと西寛一は、凡人キャラの元祖のひとりと言えるでしょう。人気作家・重松清さんのエッセイ集『明日があるさ』にも、「マンモス西を探して」という項があるくらい、多くの人が共感してきた名キャラクターです。

 矢吹ジョーとは序盤の少年鑑別所で出会い、最初は喧嘩をするもその後はジョーを支えるサポート役になっていきます。

 体格ががっちりしている西は、出所後ジョーと一緒に丹下団平のもとでボクシングを始めました。しかし、当時はヘビー級がなかったためにミドルに体重を絞るためキツイ減量を行い、最終的にジムを抜け出して屋台でうどんを2杯も食べようとしてしまいます。そこをジョーに見つかり、腹にパンチを食らって鼻からうどんを出して惨めに泣く場面はあまりにも有名です。

 その後はまじめに練習し、別人のように体を絞った姿も披露しましたが、拳を壊して引退、林食料品店で働き始めると成功し、看板娘と結婚しています。燃え尽きるまで戦った天才ジョーと対照的に、凡人ゆえに普通の幸せをつかんだ男としても重要なキャラでした。

(マグミクス編集部)

【画像】凡人たちが必死に戦う姿を描いた名作マンガたち(5枚)

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