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原作はないのに「2次元」っぽい実写映画4選 「見開きドン!」で魅了されそうな演出

世の中には星の数ほどのマンガ・アニメがあり、それを実写化した映画も無数にありますが、それ以外に、「原作はないのに2次元っぽさがあふれた映画」も存在します。今回はそのなかでも特にケレン味のある、荒唐無稽で楽しい実写映画を4本ご紹介します。

設定のほころびすら、愛せてしまう?

推しキャラを作って応援しながら楽しめる一大ムーブメントを巻き起こした『HiGH&LOW THE MOVIE』ビジュアル (C)2016「HiGH&LOW」製作委員会
推しキャラを作って応援しながら楽しめる一大ムーブメントを巻き起こした『HiGH&LOW THE MOVIE』ビジュアル (C)2016「HiGH&LOW」製作委員会

 マンガ・アニメの実写映画はどうしても原作との違いが出て、気になって楽しめない……。そんな人たちにぜひおすすめしたいのが、いくつか存在する「2次元よりも2次元っぽいオリジナル脚本の実写映画」です。原作はないはずなのに、「あの作品やこの作品を連想してしまう……でも独自の楽しさも満載な、おすすめの映画を4作紹介します。

●『少林サッカー』(2001年)

 荒唐無稽、という点ではこの映画に勝てる作品はなかなかないのではないでしょうか。「人生に行き詰まっていた少林寺拳法の達人たちがサッカーの選手権に活路を見出す」というシンプルな設定とてんこ盛りのギャグ、リアリティ度外視でケレン味のみに全振りしたCG演出で観客の度肝を抜き、当時の香港映画の歴代最高興行収入を記録しました。

 監督のチャウ・シンチ―氏は当時のインタビューで「『キャプテン翼』に着想を得た」と公言していますが、火を噴いてヒョウのイメージになるシュートや、分身してボールを止めるキーパーなどの自由過ぎるビジュアルイメージは、もはや独自の発明と言えるかもしれません。2008年に発売され、アニメ版、マンガ版も作られたゲーム『イナズマイレブン』にもおそらく影響を与えていると見られています。

 突然踊り出す珍妙な顔の男や、故・やしきたかじんさんそっくりの敵チーム監督など、登場人物のビジュアルもマンガ的でした。

●「HiGH&LOW」シリーズ(2016年~)

 LDHが手掛ける大ヒットシリーズ『HiGH&LOW』は、5つのアウトローチームが仕切る架空の「S.W.O.R.D.」地区を舞台に、さまざまな抗争を描く人気作です。

 アクション、美術もハイレベルですが、このシリーズの最大の見どころは、「全員主役」のキャッチコピー通り、美形、個性派俳優たちが演じるさまざまなキャラの魅力です。ドラマ時代のseason1からLDH内外の多数のイケメンたちがしのぎを削りあい、その後もseason2ではクールメガネイケメンキャラのいいとこ取りのような不良・轟洋介、映画2作目『END OF SKY』では演じるNAOTOさんのアドリブも満載の傭兵的実力者キャラ・ジェシーが登場。

 さまざま属性のキャラの魅力で、EXILEファンだけでなく2次元作品のファン層まで「沼」に引きずり込みました。それぞれのチームやキャラごとにかっこいいテーマソングがあるのもたまりません。

 また、独特なセリフが飛び出したり、作品をまたぐとキャラのビジュアルが変わっていたり、前にあった設定がなかったことになっていたり、AKIRAさん演じる貫禄たっぷりなキャラ・琥珀さんが実は20代半ばの設定だったりと、少しツッコミを入れたくなるポイントがあるところも週刊連載マンガのような感覚で、何度も「応援上映」が開かれ愛される要因となっています。

 2019年にはチームのひとつ・鬼邪高校と高橋ヒロシ作品がコラボしたスピンオフ『HiGH&LOW THE WORST』が作られましたが、鳳仙学園も違和感なく世界観になじんでいました。2022年の『THE WORST』続編も楽しみです。

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