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金ローで『ゴーストバスターズ』放映 ゴキゲンな80年代洋画がリバイバルの理由

ジブリアニメと80年代洋画はSNSとの相性がいい?

2022年2月4日から公開される、『ゴーストバスターズ/アフターライフ』ポスタービジュアル (C)2022 CTMG. All Rights Reserved.
2022年2月4日から公開される、『ゴーストバスターズ/アフターライフ』ポスタービジュアル (C)2022 CTMG. All Rights Reserved.

 近年は80年代に流行したシティポップや洋楽がリバイバルブームとなっています。ハリウッド映画も似たような状況です。『ゴーストバスターズ/アフターライフ』の他にも、トム・クルーズの出世作となった『トップガン』(1986年)の続編『トップガン マーヴェリック』が5月27日(金)より劇場公開される予定です。

 そんな80年代ブームを、「金ロー」はうまく取り入れています。2021年には「視聴者リクエスト企画」として、悪ガキたちの冒険映画『グーニーズ』(1985年)を放映し、ファミコン用ゲーム『グーニーズ 』に親しんだ世代を歓喜させました。2020年には『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1987年)をはじめとする「BTTF」三部作を3週連続で放映し、やはり好評を博しています。

 他にも『スタンド・バイ・ミー』(1986年)や『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』(1989年)など80年代の大ヒット作が「金ロー」でオンエアされるたびに、SNS上は盛り上がりを見せています。スタジオジブリのアニメ作品と同じように、80年代の大ヒット洋画もSNSとの相性がいいようです。

 しかし、なぜ80年代の洋画が今、再注目を集めているのでしょうか?

ノリのいいご機嫌な洋画が多い80年代

 80年代のハリウッド映画が人気の理由のひとつに、底抜けな明るさが挙げられます。80年代はソ連によるアフガニスタン侵攻などがありましたが、ベトナム戦争が続いた60年代~70年代に比べ、米国自体は比較的平穏な時代でした。日本もバブル景気に沸き、街が賑わっていました。

 未来はこれからますます良くなっていくと、多くの人が信じていました。そんな時代だからこそ、明るいコメディが次々と生まれ、受け入れられていったように思います。80年代の洋画をリアルタイムで観ていない若い世代も、テレビで繰り返し放映されるヒット作には幼い頃から親しんでおり、懐かしさを感じるようです。

 また、80年代はMTVが大人気を呼び、『トップガン』の主題歌「デンジャー・ゾーン」や『ロッキー3』(1982年)の主題歌「アイ・オブ・ザ・タイガー」などがヘビーローテーションで流れていました。主題歌のメロディが流れると同時に、映画のハイライトシーンを思い出す人も多いことでしょう。MTVにマッチした、ノリのいいご機嫌な洋画が多いのも、80年代の特徴です

 洋楽&洋画が大好きなお笑い芸人のこがけんさんが『80’s映画大解剖』(三栄)のインタビューで語っていますが、「コンプライアンス」が当時はゆるかったことも80年代洋画の面白さにつながっているようです。誰にも忖度(そんたく)しない、思い切ったギャグや過激な描写が80年代の洋画には散りばめてありました。インドを舞台にした『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』(1984年)などは、今では製作が難しい内容でしょう。

 ちなみにレイ・パーカーJr.が歌った『ゴーストバスターズ』の主題歌を、日本では片岡鶴太郎さんが日本語歌詞による替え歌「ゴーストブスターズ」として歌っていました。これも、コンプライアンスを意識せずにいた時代ならではの産物だと言えそうです。

(長野辰次)

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