声優としても活躍する俳優4選 「大ヒット請負人」レベルの高評価も
声優ではなく俳優がアニメのアテレコや洋画の吹き替えを行うことにたびたび議論も巻き起こりますが、なかには本職顔負けの声の演技を見せる名優たちがいます。今回は、声優としても高い評価を集めている俳優を4人紹介します。
神木隆之介は声優歴も20年選手?

アニメ映画や洋画の吹き替えで、本職の声優ではなく、俳優が起用されることがあります。時には賛否を呼ぶこともありますが、なかには声優顔負けの見事な声の演技を見せる俳優もいます。今回はさまざまな声の特徴が際立ち、声優としても評価の高い俳優4人を紹介します。
●神木隆之介……演技力の高さと出演作の大ヒット率に注目
まだ28歳の若さながら、芸歴26年というキャリアの俳優・神木隆之介さんは、2001年の『千と千尋の神隠し』で湯婆の息子・坊役で声優デビューし、声優歴でももう20年選手というベテランです。『ハウルの動く城』のマルクル、『サマーウォーズ』の小磯健二、『借りぐらしのアリエッティ』の翔、『君の名は。』の立花瀧など、超有名映画のメインキャラを演じてきており、演技面での高い評価はもちろん、参加作品の多くが大ヒットしているのもすごいところ。『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『君の名は。』と、興収200億越えの3作品に出演しているのは、ちょっと異常かもしれません。
その他、声優が交代してからの『ドラえもん のび太の恐竜2006』『ドラえもん のび太の新恐竜』両方で、のび太の親友のフタバスズキリュウ・ピー助を演じ、こちらも大ヒット。さらに2021年に100億越えのヒットとなった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』でも、ある重要な役の声を演じており、とにかく大ヒット作と関わりが深い俳優でもあります。
自身もアニメ好きで、声のトーンやかすれ方まで研究して演じるなど、理論派の名優です。「神木隆之介なら大丈夫」と、アニメ界の名監督たちも観客側も信頼しきっているからこその大ヒットなのかもしれません。
●芦田愛菜……元天才子役は声優でも才能を発揮
子役時代から高い演技力で国民的人気だった芦田愛菜さんは、高校生になってからも学業と両立しながら、女優業、バラエティーの司会、CM出演などマルチに活躍する才女。そして、10代半ばからは声優としての仕事が増えてきています。朝ドラ『まんぷく』(2018)の史上最年少ナレーションから、ハリウッド版『GODZILLA』シリーズのマディソン役の吹き替え、そしてSTUDIO4℃の『海獣の子供』『えんとつ町のプペル』、吉田玲子さん脚本の『岬のマヨイガ』で主演を務めるなど大活躍。
特に『海獣の子供』は渡辺歩監督がたまたま芦田さんのラジオでの朗読を聞いて、「この子だ! この声だ!」と思い立ってオファーしたと語るぐらいのハマり役でした。五十嵐大介先生の壮大で難解な原作のテイストもしっかり描きつつ、主人公・琉花のひと夏の成長物語につなげていくストーリーにまとめた本作には、主人公と同年齢の芦田さんの演技がピッタリで、さわやかな後味の作品になっています。細部まで書き込まれた圧巻のアニメーションに引けを取らない見事な芝居で、キャラクターに命を吹き込みました。