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グルメ漫画じゃないのに「食レポ」が絶妙な3作品 「沁みこんできやがる……」

食欲をそそる絶妙な「食レポ」が飛び出すのは、何もグルメマンガだけではありません。北海道での金塊を巡る戦いや、命を懸けたギャンブルを描いたマンガでも、まさかの垂涎の描写があります。今回は非グルメマンガの秀逸な「食レポ」を紹介します。

犯罪的すぎる「ビールの名場面」

リス、カワウソ、シャチ…普通は食べられない北海道の生き物の料理がおいしそうなマンガ『ゴールデンカムイ』第1巻(集英社)
リス、カワウソ、シャチ…普通は食べられない北海道の生き物の料理がおいしそうなマンガ『ゴールデンカムイ』第1巻(集英社)

 食事は生きるために必須なもの。グルメマンガでなくても、食事のシーンは多く描かれます。今回は、グルメマンガ以外でも食事の描写や「食レポ」が秀逸な名作を振り返ります。

●『ゴールデンカムイ』

 日露戦争後の北海道・樺太で繰り広げられる、アイヌの金塊を巡るサバイバルバトルを描いたマンガ『ゴールデンカムイ』。かなりエグい描写や、極限状態での頭脳戦も描かれていますが、それと同じくらい魅力的なのが、アイヌ文化に関しての細かな説明や北海道の大自然の描写、そしてその自然の恵みとしてのグルメシーンです。

 序盤から主人公・杉元と行動をともにするアイヌの少女・アシリパ(リは小文字表記)が、リスやウサギを獲ってはチタタプ(山刀で叩いて骨ごとひき肉にする調理法)にして鍋にして食べたり、カワウソの頭丸ごと煮を作ったりと、北海道のアイヌ料理ならではのメニューが目白押し。その他、エゾカジカのオハウ(汁物)、シャチの竜田揚げ、ラッコ鍋など、本土で暮らしていたらまず食べられない珍味がどんどん出てきます。

 日露戦争で「不死身」と恐れられた歴戦の男・杉元が、食べている料理がなぜ美味しいのかを的確に分析して説明する「食レポ」も見事。また、アシリパが時折食事中に見せる何とも言えない表情(「オソマ(ウンコ)」と呼んでいた味噌を初めて食べる時など)や、白石の素直すぎる反応なども面白く、食事シーンだけでもずっと見ていたいくらいです。また、作中で使われるアイヌ語の「ヒンナ」という言葉には、「いただきます」や「美味しい」「食材への感謝」などいろんな意味があり、汎用性があります。

●『カイジ』

 言わずと知れたギャンブルマンガの金字塔「カイジ」シリーズの「食レポ」シーンと言えば、なんといっても『賭博破戒録カイジ』での、帝愛の地下送りになったカイジがビールを飲む場面でしょう。

 地下独自の通貨「ペリカ」を貯めて、「1日外出券」を手に入れようと決意するカイジでしたが、地下労働者のE班班長・大槻が「無理は続かない……」と「キンキンに冷えた」ビールを置いていったことがきっかけで、欲望のタガが外れてしまいます。

 カイジが一気にビールを飲み干すと「犯罪的だっ……!」「沁みこんできやがる……」「本当にやりかねない……っ!ビール1本のために……強盗だって……!」と、福本節全開の「酒テロ」コメントが飛び出しました。そして、誘惑に負けたカイジは、高額で売られているビールや焼き鳥などに「ペリカ」を使って、「豪遊」してしまうのです。

 それにしても、どこにでもある普通の缶ビールで、ここまで美味しそうに見せるのはさすがです。アニメだと、カイジの声を担当する萩原聖人さんの名演もあって、余計たまりません。

 その他、帝愛・兵頭会長のワイン直舐め、ステーキわしづかみ描写や、「24億脱出編」でのカイジ、マリオ、チャンのさまざまな飲酒、食事シーンなども印象的です。そして、地下でカイジをビールで堕とした大槻のスピンオフマンガ『1日外出録ハンチョウ』では、悠々自適な地下労働者大槻たちのさまざまなグルメライフ、休日の過ごし方が描かれており、飯テロが止まりません。

【画像】料理も「食レポ」も胃袋を刺激される名作マンガたち(4枚)

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