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期待集める『るろ剣』再アニメ化を予想 「人誅編」衝撃シーンの行方は?

再TVアニメ化が決定した人気マンガ『るろうに剣心』。アニメだけでなく、実写映画やミュージカルにもなった人気作品です。ファンからは、TVで放送されなかった「人誅編」の完全なアニメ化が期待されています。

ジャンプの「暗黒期」を支えた『るろ剣』の人気

女優や歌手をキャストに起用するなどの挑戦も行われた、1996年のアニメ「るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 完全版 巻之一」DVD(アニプレックス)
女優や歌手をキャストに起用するなどの挑戦も行われた、1996年のアニメ「るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 完全版 巻之一」DVD(アニプレックス)

 2021年末、新作TVアニメが制作されることが発表された『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。これまで製作された作品を振り返って、今後の展開を色々と予想してみましょう。

 ファンからは『るろ剣』の愛称で呼ばれる本作は、「週刊少年ジャンプ」の1994年19号から1999年43号まで連載された人気作品です。黄金期を支えた『ドラゴンボール』、『幽☆遊☆白書』、『SLAM DUNK』などの人気作品が終了した90年代後半の「ジャンプ」は、暗黒期とまで言われた状態でした。この時期の「ジャンプ」を支えたのが『るろ剣』で、そのバトンを『ONE PIECE』につなげたと、当時のジャンプ編集部からは絶賛されていたそうです。

 連載開始直後から『るろ剣』人気は徐々に上がっていきました。連載開始した1994年の12月にはカセット文庫が早くも発売されていたことからも、編集部の期待が大きかったことがわかります。この人気が一気に爆発したのが、『るろ剣』でもっともファンが支持したと言われている「京都編」でした。掲載順を見ると一目瞭然で、「京都編」以降は連載終了直前まで、『ジャンプ』の掲載ページは一桁番台をキープしています。

 この人気絶頂時にTVアニメ化が決定。1996年1月10日からフジテレビ系列で放送を開始します。このTVアニメ版『るろ剣』が革新的だったのが、主人公の緋村剣心とヒロインである神谷薫の声が声優でなく、女優だったことでした。これは大人の女性にも見てほしいというスタッフの意向だったそうです。

 この異例のキャスティングに否定的なアニメファンは少なくありませんでしたが、ふたりの声優に負けず劣らずの素晴らしい演技によって、異論は早い段階で消えました。このほか、ゲストキャラにも俳優の起用が多く、T.M.Revolutionとしてエンディング曲を歌っていた西川貴教さんも『るろ剣』で声優デビューを果たしています。

 基本的にTVアニメも原作マンガと同じ流れでしたが、「東京編」のエピソードは大幅にアレンジされています。特に石動雷十太と塚山由太郎のエピソードはアニメオリジナルと言ってもいいほどの変更がされていました。このほか、アニメ独自のオリジナルエピソードで原作のストックを貯めて、余裕のある形で人気の高い「京都編」に突入します。

「京都編」では「東京編」のようなオリジナル展開はほとんどなく、ほぼ原作マンガと同じような展開で完結しました。この時点で原作のストーリーにほぼ追いついてしまったため、TVアニメではいくつかのアニメ独自のシリーズでふたたび原作マンガのストックを貯める方向にシフトします。

 しかし、原作マンガで進行中だった「人誅編」の終わりが見えなかったことからTVアニメでの制作を断念、1998年9月8日放送の第94話で放送を終了しました。平均視聴率は12.2%。最高視聴率は第37幕「衝撃!折れた逆刃刀・天剣の宗次郎対剣心」の16.0%だそうです。

 余談ですが、第6弾エンディングだった「1/3の純情な感情」で、「人誅編」の重要人物だった巴の映像が意味深にインサートされていたことからアニメスタッフのやる気がうかがえ、当時のファンも先のシリーズへの展開を期待していました。

【画像】実写に舞台化、連載再開…新作アニメも期待の『るろうに剣心』作品群(4枚)

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