期待集める『るろ剣』再アニメ化を予想 「人誅編」衝撃シーンの行方は?
ファンが渇望する「人誅編」のアニメ化
TVアニメ終了で製作されることのなかった「人誅編」ですが、OVAという形で陽の目を見ることになりました。それが1999年にリリースされた「追憶編」です。
しかし、この「追憶編」では「人誅編」のすべてが描かれたわけでなく、主に剣心の過去についてクローズアップされたものでした。その後、原作マンガのさらに先の話であるアニメオリジナル完結編とも言うべき「星霜編」で、アニメの『るろ剣』は完結することになります。
それから10年ほど経過した2011年に、TVアニメ15周年を記念して新作アニメとして「新京都編」の制作が発表、前後編のOVAでしたが、劇場版として先行公開されました。
その後、佐藤健さん主演で実写映画版が2012年に公開。2021年までに5本が制作される人気映画となっています。この他にも、2016年には宝塚歌劇団でミュージカルとして舞台化されました。
こういった動きのなかで、原作マンガも続編である『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』が「ジャンプスクエア」で2017年からスタートしています。そして、本年の再TVアニメ化につながりました。
このような流れを見ていくと新作アニメでは、やはりファンとしては『るろ剣』を最終回まで見たい。……そう思う方がほとんどだと思います。筆者も幻で終わった「人誅編」をTVアニメで最後まで見たい気持ちは一緒。しかし、あの薫の衝撃的なシーンの再現ができるか? というところに不安を感じます。
原作マンガを見ていない方のために濁して書きますが、「人誅編」では薫の衝撃的シーンがあり、TV放送できるのかどうかというところがファンの間でも問題視されていました。しかし、筆者の個人的な見解ですが、おそらく大丈夫だと思います。なぜなら、それは今回の再アニメ化する際にスタッフも問題視して、すでに放送への対応は万全だと思うからです。そうでなければ、企画自体が成立しません。
最悪、人気のある「京都編」までで放送終了という展開も頭をかすめましたが、昨今の再アニメ化の流れを考えると、原作マンガ最終回までアニメで描き切るのが自然な流れでしょう。むしろ逃げるのか? それとも正面から描き切るのか? そこが見どころです。
ちなみに原作マンガでは作者の和月伸宏先生が「ハッピーエンドになります」という予防線を事前に張っていたのに、非難の投書が多数寄せられたという「衝撃のシーン」。当時は今のようにネットのSNSなどで語り合うことも普通にはなかったので、どの程度の盛り上がりか分からなかったのですが、きっと炎上していたかもしれません。
不安要素といえば、再アニメ化につきものの「声優の交代」も注目を集めるポイントでしょう。これには賛否あると思いますが、放送から20年以上経っている作品だけに交代の可能性は大きいと思います。まだ当時の声が出せる現役の方もいるとは思いますが、その取捨選択がファンの反感を生む可能性を考えれば、総入れ替えの選択肢もあるかも知れません。
そして、最後に期待したいことが現在連載中の「北海道編」までのアニメ化です。……というか、おそらく今回の再アニメ化の到達点はそこではないでしょうか?
まだ詳細が明かされていない『るろ剣』の再アニメ化。これからも続報を期待しながら、想像を膨らませていきたいと思います。
(加々美利治)