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もっと評価されるべき?「スーパー戦隊の怪人」 デザインは秀逸なのに商品化は少なく…

クリスマスに「シャケ旋風」を巻き起こした怪人も

クリスマス回に登場した怪人が話題を呼んだ『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』ソングコレクション (C)東映
クリスマス回に登場した怪人が話題を呼んだ『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』ソングコレクション (C)東映

 一方、いわゆる「敵幹部」の人形化はたびたび行われています。9作目『電撃戦隊チェンジマン』のゴズマ幹部、10作目『超新星フラッシュマン』の改造実験帝国メス幹部などは、中古玩具店でも見かけます。

 また、小さい人形ならどうでしょうか。少し時代は遡りますが、例えば雪印「フラッシュマンソーセージ」のおまけには、なんと獣戦士ザ・ズルルクなど幹部ではない怪人もラインナップされていました。また消しゴム人形シリーズなどミニモデルでは、一般怪人にも光が当たることがあったようです。それでも、幹部のように彩色人形として商品化されることはほとんどなかったと言っていいでしょう。

 さて、戦隊シリーズでは野口さん担当以降も篠原保さん、マイケル原腸さん、大畑晃一さんと、名だたる鬼才らが手がけた傑作怪人が生まれていきます。日用品モチーフながらも、悪夢的デザインが魅力のゴーマ怪人が登場した『五星戦隊ダイレンジャー』、アメコミ風にアレンジされたカッパやろくろ首など、「妖怪」の新解釈を提示した『忍者戦隊カクレンジャー』……。どれも怪人のデザイン画も含め息をのむかっこよさなのですが、やはり主力商品となるのは依然としてメカニック玩具でした。

 また近年ですと、2018年の『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』に登場し、「クリスマスにはシャケを食え」と主張した怪人サモーン・シャケキスタンチンが大いに話題を集めました。シャケの外骨格にイクラと切り身を組み合わせた秀逸デザインでしたが、公式での立体化はまだ実現しておりません。

 なお、ここまで述べてきたような怪人たちの魅力や制作背景をまとめた図録『東映スーパー戦隊シリーズ35作品記念公式図録 百化繚乱 [上之巻] 戦隊怪人デザイン大鑑』が2011年に刊行されています。上記の鬼才たちによるデザイン画が堪能できる書籍です。

 ここまで、怪人の商品化事情を簡単に見てまいりましたが、見方を変えれば、商品化を想定していなかったからこそ、ここまで攻めたデザインが可能だったのかもしれません。さあ、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』では、どんな怪人と出会えるのでしょうか。このワクワクが半世紀近く続いている奇跡に、心からの感謝を申し上げる次第です。

(片野)

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