意外と知らない「スターフォックス」4つの豆知識 「相思相愛の恋人がいる」?
1993年2月21日に任天堂より発売されたスーパーファミコン用ソフト『スターフォックス』。プラットフォームを越えて長年愛されてきた人気3Dシューティングゲームにまつわる、意外な豆知識を4つご紹介します。
第1作の発売から29年、3Dシューティングゲームの名作
2022年2月21日(月)で生誕29周年を迎えたスーパーファミコン(以下、SFC)用ソフト『スターフォックス』は、さまざまな惑星や宇宙空間をまたにかける3Dシューティングゲームです。プレイヤーは、やとわれ遊撃隊のリーダー「フォックス・マクラウド」(以下、フォックス)を操作し、惑星ベノムを根城に宇宙の支配を企む「アンドルフ」の打倒を目指します。
同作はROMカセットに積まれたスーパーFXチップにより、SFC用ソフトながらも立体的な3Dポリゴン描画を実現。完全新規のオリジナルタイトルとして、国内だけでも約80万本のソフト売上を達成しました。
今回は、そんな「スターフォックス」シリーズにまつわる豆知識を4つ紹介します。後年に復活した幻の作品やフォックス誕生の由来なども……?
●「お蔵入り」から約20年後に蘇った『スターフォックス2』
『スターフォックス2』は、SFC時代に開発がスタートするも、NINTENDO64の発売に伴い、日の目を見ることなくプロジェクトでした。しかし、任天堂が2017年10月5日に送り出した復刻ゲーム機「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」に収録され、開発中止から約20年越しに奇跡の復活を果たしました。
基本的なゲーム内容は『スターフォックス』を踏襲しつつも、主要戦闘機「アーウィン」の形態変化(ウォーカー)や、奥スクロールではなく周囲を自由に移動して敵を迎え撃つ「全方位モード」といった新要素を採用。やとわれ遊撃隊に新メンバー「フェイ」と「ミュウ」も加わり、シリーズタイトルの2作目らしく堅実な進化をとげた作品でした。
●フォックス誕生のきっかけは京都の「伏見稲荷大社」
「スターフォックス」シリーズ全作品に登場し、「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズにもファイターとして参戦している「フォックス」。その誕生のきっかけは、京都の伏見稲荷大社にあります。
当時『スターフォックス』の開発を担当していたゲームクリエイターの宮本茂氏は、ゲーム内の戦闘機(アーウィン)がゲート状のオブジェクトをくぐる様子からインスピレーションを受け、「鳥居をくぐる→ 千本鳥居→ 京都伏見稲荷大社→ キツネ」と連想。ニンテンドー3DS用ソフト『スターフォックス64 3D』の発売に際した公式インタビューで、「伏見稲荷といえばやっぱりキツネ」という開発秘話を明かしました。
ちなみに、仲間の「ペッピー・ヘア」や「ファルコ・ランバルディ」についても、当時の開発スタッフ陣が「日本の昔話からイメージ像を膨らませた」とコメントを残しています。
●シリーズ3作目にてフォックスの相手役(ヒロイン)が初登場
頼れる戦友とともにあまたの強敵を退けてきたフォックスは、シリーズ3作目のゲームキューブ用ソフト『スターフォックスアドベンチャー』で、キツネの女性キャラクター「クリスタル」と運命的な出会いを経験。惑星サウリアで巻き起こった事件の解決後、彼女を遊撃隊のメンバーに迎え入れています。
異形の生命体「アパロイド」との戦いを描いたシリーズ4作目『スターフォックス アサルト』では、数々の任務をこなすうちに2人の関係がより進展。ただの戦友ではなく、お互いに公私を支え合う良きパートナーとして親密な様子が描かれていました。
なお、プレイヤーの進め方次第になりますが、ニンテンドーDS用ソフト『スターフォックス コマンド』のエンディングで「フォックスと無事に結婚したクリスタル」や「2人の間に生まれた息子の姿」を見ることもできます。
●フォックスの父親と同姓同名のキャラクターが存在する
遊撃隊の初代リーダーであり、フォックスの父親でもある「ジェームズ・マクラウド」(以下、ジェームズ)。彼と同姓同名のキャラクターが、任天堂のレースゲーム「F-ZERO」シリーズに登場していることをご存知でしょうか。
種族こそキツネではないものの、衣装や髪色は「スターフォックス」のジェームズをかなり意識したテイスト。白色のジャケットに赤いスカーフ、グリーンのミリタリーパンツにトレードマークのサングラス……と雰囲気は完全にジェームズそのものです。
『F-ZERO X』のゲーム内プロフィールによると、「やとわれ遊撃隊ギャラクシードッグのリーダー」「戦闘機を改造してF-ZEROレースに参戦」「妻と息子を養うために賞金を狙っている」と記載があり、シリーズは違えど設定面の多くで共通しています。
その後、ジェームズはTVアニメ『F-ZERO ファルコン伝説』にもゲストキャラクターとして登場。こちらは原作とは裏腹にストイックな性格が目立ち、主人公たちにracing技術を伝授する鬼教官な一面が強く押し出されていました。
(龍田優貴)