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『Zガンダム』に登場した5つの組織 複雑な対立・協力関係と「その後」を振り返る

『機動戦士Zガンダム』では、地球連邦軍のエリート部隊「ティターンズ」と半ティターンズの軍人を中心に組織された「エゥーゴ」、ジオン公国の残党組織である「アクシズ」を中心に、さまざまな組織や個人がそれぞれの理由で戦い続ける群像劇として描かれました。作中に登場する各組織について、成り立ちやその後を解説します。

地球連邦軍内部の対立派閥

「機動戦士Zガンダム 1」DVD(バンダイビジュアル)
「機動戦士Zガンダム 1」DVD(バンダイビジュアル)

『機動戦士Zガンダム』では、「連邦vsジオン」といった単純な構図ではなく、いくつもの組織や個人がそれぞれの理由で戦いを繰り広げる群像劇として物語が展開しました。それぞれの組織の成り立ちと「その後」を振り返ります。

●スペースノイドの弾圧組織「ティターンズ」

 宇宙世紀0083年10月に勃発した「デラーズ紛争」後に、地球連邦軍准将であるジャミトフ・ハイマンが創設した「ティターンズ」は、ジオン残党軍の掃討を名目とした地球連邦軍の特殊部隊です。ただしジャミトフの真の目的は、地球環境保護のために戦争を利用して地球経済に打撃を与え、地球上に住む選民を抹殺することにありました。後に『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』に登場した「マフティー」と共通した目的を持つ点は興味深いところです。

 中心メンバーは強硬なアースノイド至上主義者が多く、反地球連邦運動を行うスペースノイドに対し、強引な手段による取り締まりを行うことが多々ありました。上級部隊であるという驕(おご)りから来る尊大さもあり、同じ地球連邦軍の軍人からも反感を買い、エゥーゴの台頭を招いてしまいます。

 特に総司令官であるバスク・オムを始めとする過激派には、デモ鎮圧のために毒ガス「G3」を使用した30バンチ事件、グラナダへのコロニー落としなど、数々の非道な行為がありました。また、ジャブローに攻め込んだエゥーゴの部隊を味方の部隊ごと核によってせん滅しようと図るなど、その残虐性は時として味方にすら向けられたのです。

 それでも、情報の隠ぺいを行い権力を保持し続けていたティターンズでしたが、シャア・アズナブルによる「ダカール演説」により形勢は逆転。反ティターンズ運動が展開されることとなり、よりによってジオン残党軍である「アクシズ」との共闘を模索するところまで追い込まれます。

 最終的にはパプティマス・シロッコがジャミトフを暗殺しティターンズを掌握、バスクもレコア・ロンドに殺され、残存兵力はエゥーゴと交戦しますがシロッコも戦死し、艦隊はコロニーレーザーによって壊滅の憂き目を見ることに。生き残った将兵の一部は火星などに逃亡しましたが、多くは連邦軍に投降し、ティターンズはあっけない最期を迎えました。

●地球連邦軍の反ティターンズ組織「エゥーゴ」

 主人公であるカミーユ・ビダンが所属しているのが、地球連邦軍内部の反ティターンズ派の軍閥である「エゥーゴ」です。エゥーゴは「Anti Earth United Government」の略称であり、反地球連邦組織と書くべきなのでしょうが、実体としては地球連邦軍の一派閥であるため、ここでは反ティターンズ組織とします。

 スペースノイドを弾圧するティターンズの横暴に抵抗を感じた地球連邦軍准将ブレックス・フォーラ准将に賛同した連邦軍が主力となっていますが、シャア・アズナブルを始めとしたジオン残党勢力や、カミーユ・ビダンやファ・ユイリィなどティターンズの被害を受けた民間人も加入しています。

 アナハイム・エレクトロニクス社がスポンサーとなって資金や装備を提供しているため、権限は同社が握っているのも大きな特徴と言えるでしょう。アナハイムとの共同開発による「Zガンダム」「メタス」「百式」といった高性能機や特殊機を保有し、量産機としても「リック・ディアス」や「ネモ」を装備し、ティターンズが送り出すさまざまなモビルスーツと互角以上の戦いを繰り広げました。

 エゥーゴ、ティターンズ、アクシズの三つ巴の戦いとなった「グリプス戦役」では、最終局面でコロニーレーザー「グリプス2」をかろうじて確保することに成功し、ティターンズの主要艦隊を撃滅しましたが、戦闘で多数の装備と人員を喪失。次作『機動戦士ZZガンダム』では壊滅状態にあり、ある程度の再建は果たしたものの最終的には地球連邦軍に統合され、連邦軍の外郭新興部隊「ロンド・ベル」の母体となりました。

【画像】個性が違いすぎ?『Zガンダム』登場組織の所属MSを比較(8枚)

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